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河村side
「……………拳くんが悪いんじゃん」
ふ「え……？」
「私ずっと拳くんのこと好きだったのに！知らない間に彼女作って！ずっとずっと彼女の話ばっかり！だから奪ってやろうと思ったの！」
逆ギレしてふくらに怒鳴り散らす三上さん。救いようがないな。
ふ「それで……なんの罪もないAを追い詰めたの？」
「なんの罪もない？私から拳くんを奪ったの！それだけであの女は重罪でしょ？」
ふ「っっ……！」
ふくらの目には怒りとか呆れとか悲しみとか、色々なものが混ざり合っていて。まあそうだよな。幼馴染だもんな。
伊「はいはいストップ。オフィスで喧嘩すんなよ」
ここまできてずっと黙っていたCEO様が割り込んだ。まあ今後の三上さんのこととかは代表であるあいつに任せたほうが良さそうだ。
ふ「伊沢、ごめん。和葉をここに連れてきたのが間違いだった」
伊「受け入れた俺の責任でもあります。三上さん、君の処分は追って連絡するから。それまでは自宅謹慎ってことで、今日はもう帰って」
「………はい」
三上さんは自分の荷物を引ったくるように持ってオフィスから出て行った。
ふ「和葉………」
山「Aさん……」
きっと、Aが危惧していたことはこれなんだろう。山本たちはAを信じてやれなかったことを悔やみ、ふくらは幼馴染の裏切りに傷ついている。
河「山本、最初に声を上げてくれてありがとう。こうちゃんと、須貝さんも」
言いにくかっただろう。怖かっただろう。最悪嫌われ役にやるところだったのに、それでも勇気を出して言ってくれたことには感謝しかない。
山「いえ……Aさんは、もっと怖かったと思いますから」
ふ「ねえ、Aは今どこにいるの……？」
ふくらは縋るような目で俺と伊沢を見る。今更、Aに会ってどうするというんだろうか。
河「それ知って、どうするの？」
ふ「………謝りたい。許されなくたっていい。どんな恨み言を言われたって受け入れる。だから、謝りたい」
河「お前なぁ……！」
今更謝ったって遅い。そんなこと聡いお前ならわかるだろう。俺が代弁して恨み言でも言ってやろうかと口を開くと、伊沢に静止された。
伊「ごめんねふくらさん。俺らからは言えない」
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年1月17日 19時
