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河村side
次の日、僕と伊沢はオフィスに出勤していた。川上姉弟は今日付けで退職という形になった。まだみんなには言ってないけどね。
Aは助かった。それでも僕の腹の虫はまだ収まらない。
だっておかしいじゃないか。何もしてないAはふくらから嫌われ、仕事も満足にできなくなった。それななに目の前の彼女はふくらも、Aが持っていた名声も地位も手に入れている。こんなの、あまりに理不尽じゃないか。
幸い、ここには川上姉弟以外のメンバーが揃っている。
河「伊沢、ごめんね」
伊「……？っ、あんたまさか……！」
ごめんね川上。僕はね、お前みたいに人の言うことならなんでも聞くようないい子じゃないから。
河「三上さん、聞きたいことがあるんだけどいいかな？」
「はい？なんですか？」
河「川上Aのことで少し、ね？」
「Aさん……」
Aの名前を出せばわかりやすく震え上がりふくらに擦り寄る三上さん。ああ腹立たしい。その位置はAのものだったのに。
ふ「河村、和葉の前でAの話は……」
河「いや、今日は聞かなきゃいけない。はっきりさせなきゃいけない。僕にはAの尊厳を取り戻す義務がある」
ふ「何言って……」
河「あの日のこと、伊沢から聞いたよ。大変だったね？」
「そ、そうです！あの日、Aさんに呼び出されて……」
河「呼び出されて撮影部屋に行ったら部屋が荒らされててAがいた？」
「は、はい！そうです！」
河「おかしいね？Aは16時50分くらいまでオフィスで僕らと仕事してたのに。10分で荒らせるような程度だった？」
「そ、それは……」
河「それとさ、このスカート。仮眠室に捨てられてたから写真撮らせてもらったけど三上さんの物で間違いない？」
「そ、そうです！Aさんに切られて……」
河「へえ、Aは随分器用なんだね。スカートを裾の方から切るなんて」
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年1月17日 19時
