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須貝side
最近、オフィスは静かだ。
須「………」
「あ、あの！須貝さん！」
須「三上さん？どした？」
「昨日家でクッキー焼いたんです。よろしければどうぞ！」
須「ああ、ありがとね」
可愛らしくラッピングされた袋を1つ受け取ると三上さんは「あとで感想教えてください！」とふくらさんのもとへ戻って行った。
須「昨日焼いた……ねぇ」
今日は水曜日。ライターとして毎日忙しくしているはずのあの子にクッキーなんて手のかかる物作る時間があることに驚きだ。
須「Aちゃん……」
思い出すのは元気印の女の子。あの子がいたからオフィスは賑やかだったし俺も盛り上げやすかった。
もう、戻ってこないのだろうか。Aちゃんの場所だったデスクを見るとそこには当たり前のように三上さんが座っていて、あの子の存在がどんどん薄れていってる気がして虚しかった。
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
ふ「あれ？宅配便？」
須「ん、俺出るわ」
あいにく今日何かが届くような話は聞いてない。ライターならわざわざインターホンも鳴らさないし誰だろう。もしかしたらさっきまで考えていた彼女が、恥ずかしそうに笑いながら立っていてくれるんじゃないか。そんなことを考えながら扉を開けるも、まあそんなことはなくて。
「スタジオ【origin】の者です。ギターの修理終わったんですが依頼者の方の携帯番号に繋がらなくてですね。僭越ながら届けさせていただきました」
須「そうだったんですか。わざわざすみません」
「いえいえ。Aちゃんはウチのお得意様ですから。これくらいのサービスなんてことはないですよ」
須「……？よくAちゃんのだってわかりましたね」
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年1月17日 19時
