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川上side
河「………もし、三上さんを断罪しなければならなくなったら、それは僕にやらせてくれないか」
川「え……？」
意外だった。河村さんはメンバーの中でも特に和を重んじるというか、波風立つことをよしとしないイメージがあったから。
河「川上が言えば姉弟の贔屓目があると思われかねない。伊沢が言えば会社の代表としての圧がかかりすぎる。……僕なら大丈夫だと思う」
伊「いいんですか……？」
証拠を突きつける役は1番の嫌われ役だ。上手くいけばヒーローだが失敗すればみんなからの非難は免れないだろう。すっかり自分がやるつもりだった伊沢さんもポカンとしている。
河「まあ最悪僕がここ辞めればいいでしょ」
「「それは駄目です！！」」
河「お、おう……」
河村さんが少し驚いたような声を上げる。ただ言葉遊びというか、相手を煽るというか。そういう分野において河村さんの右に出るものはいない。三上さんがボロを出してくれればそれこそ上手くいくかもしれない。
川「……よろしくお願いします」
河「じゃあ決行は1週間後にしよう。僕らがみんなオフィスにいる時間帯で」
伊「わかりました。他のメンバーにもさりげなく残るように言っておきますね」
さっきまで全く進んでいなかった姉さんを助け出す作戦が、今目の前まで迫った。2人のおかげだ。正直2人が味方になってくれたのが大きすぎる。心強い。
河「相手にふくらがいるっていうのが少し面倒だが……まあなんとかなるやろ」
そう言って河村さんは部屋から出て行った。
伊「よし、俺もそろそろ戻るかな。川上、Aのことよろしくな」
伊沢さん達は事件以来姉さんに会っていない。姉さんがどんな状態かもわからないから、心配なんだろう。
川「姉さんのことは俺が守ります」
伊「おう」
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年1月17日 19時
