n回目のI love you(fkr) (ページ15)

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ふくらside

ふ「A」

『ふ、ふくらさん！？どうしました！？ま、またミスありました！？』

俺からAのところに行くなんてことほとんどないのでAは目をまんまるにして驚いている。微かに手が震えてるのは怒られるかと怯えているんだろうか。

ふ「さっき、キツい言い方になってごめん。なにかあったんなら言ってね。相談……乗るし」

手を頭に乗せてそう言うとAの顔はみるみる赤く染まる。「頭撫でられるの好きなんです」と言われたのはいつだったか。ここまでわかりやすく反応してくれるならこれからもっと撫でてもいいかな、なんて思ってると後ろから「拳くん！」と声をかけられた。

「ねえねえ！ちょっと聞きたいことあるんだけどいいかな？」

ふ「えっと……」

『ふくらさん、私なら大丈夫です。元気になりました！』

『だから行ってあげてください』と笑うAに甘えて和葉のもとに向かう。

ふ「どうした？」

『ここなんだけど』

(幼馴染A)のパソコンを覗き込むと至って普通の編集画面。でもこの前できたと渡された動画は似たような方法でやってた気がするけど……

ふ「これ前やってなかったっけ？たしかに教えたことはなかったけど……」

「な、なんかド忘れしちゃって！この前はAさんに教えてもらったんだけど最近Aさんに話しかけるのこわくて……」

ふ「こわい？なんで？」

Aは新人が入れば積極的にフォローしてくれるし山本を始め後輩たちによく懐かれている。そんな彼女がこわいというのだろうか。

「最近拳くんと話してるとすごく睨まれて……」

ふ「睨まれる？そんな感じしないけど……」

Aの方をチラッと見るとパソコンの画面とにらめっこしていて、こっちを見ていた感じはない。

「拳くんには気付かれないようにしてるんだよ！多分私が拳くんといつも一緒にいるからだよね？ほら、Aさんと拳くん付き合ってるし……」

ふ「Aに限ってそんな……」

今度Aに聞いてみようか、と思っていると(幼馴染A)が「あ、でも！」と声を上げた。

「Aさんには言わないであげてね？ほら、好きな人から言われたら悲しいと思うし……私は気にしてないから！」

健気を絵に描いたように笑った和葉は「仕事戻るね！」とパソコンに向かい合った。なんだか嫌な予感はしたけど知らないフリして俺も自分の仕事に戻った。