29 ページ30
河村side
河「ごめん、おまたせ」
山「全然大丈夫ですよ!それじゃあ、行きましょうか」
山本と2人で並んで歩く。ふと、山本が口を開いた。
山「河村さんは、Aのことどう思ってるんですか?」
僕を責めるわけではない、ただ純粋に疑問を投げかけるような声に、なんて反応して良いかわからなかった。
河「どう……思ってるんだろうね。僕もわからないんだ。でも、僕の人生から【有栖川A】という存在を抜き取ったら、こんなにつまらないんだなって思うよ」
自嘲気味にそう言うと、山本は安心したようにふふっと笑った。
山「きっと、Aを救えるのは河村さんだけだと思うんです。僕でも、他の誰かでもなくて……河村さんじゃないとダメなんです」
不甲斐ないですけど、と今度は山本が自嘲気味に笑う。普段あんなに慕われている山本でも救えないAを、僕に救えるんだろうか。
山「あ、着きましたよ。上がってください」
山本が扉を開けて僕を中に招き入れる。居間で待つように言われ、しばらく出された麦茶を啜っていると、二階から2人が降りてきた。
山「河村さん、お待たせしました」
河「いや、大丈夫」
『河村さん……』
久しぶりに会ったAは驚くほど変わっていた。
コイちゃんに似せようと染めていたピンク色の髪は黒に戻り、いつもキラキラと輝いていた目からは生気が感じられない。
河「A、久しぶり」
『お久しぶり……です』
山「河村さん、僕向こうの部屋で記事書いてるので、何かあったら呼んでください」
そう言い山本は部屋を出る。2人きりになった時、Aが重い口を開いた。
『幻滅……しましたよね』
39人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪音(プロフ) - るるさん» ありがとうございます…………!そう言っていただけると嬉しいです!他の作品もぜひぜひご覧ください!リクエスト、感想などいつでも受け付けておりますのでいつでもどうぞ!! (2021年2月17日 23時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
るる - はじめまして。すごくおもしろかったです!この作品で大ファンになりました。他の作品も読んでいます。これからも頑張ってください! (2021年2月17日 23時) (レス) id: 45a7bf492e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉ。(プロフ) - たくさんありすぎて長くなりそうなので一言。 ゆっき大好き!!!!!!! (2021年1月6日 23時) (レス) id: e1ece1687e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪音 | 作成日時:2021年1月6日 22時