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Aside
『……ってことなんだけどさ』
伊「Aのとこの社長さん大胆だな……」
『まあ……ね』
グランマから話を受けた日の夜、私は兄さんとその話を共有した。兄さんも女性人気高いしどうするべきなんだろう……
伊「でもその考え自体は良いと思う。Aさえ良ければ公表しても良いよ」
『本当⁉』
伊「うん。そう考えるとAがYouTubeやってた時から兄妹だって公表しなくて正解だったな」
『まあね！！』
伊「じゃあ来週社長さんのところ行こうか」
『うん！』
1週間後、私は兄さんと一緒にグランマのところへ向かった。
社「私の前に来たってことは結論は出たのかしら」
『はい！グランマ…公表するという話、是非受けさせていただきます』
社「そう。伊沢さんの方も良いのね？」
伊「はい。勿論」
社「わかったわ。すぐに会見を手配しましょう。良いわね？"ルルカ"」
『……はい』
社「貴方はもう伊沢Aではない。ルルカよ。プライベートでも伊沢Aはもう名乗れない。学生時代の同級生なんかは本名を聞けばすぐピンとくるものだからね」
『わかってます。……覚悟はしてきました』
社「ふふふ、なら良いわ。会見の時間が決まったらまた連絡するわね」
『はい。失礼します』
『……はぁぁぁ。緊張した……』
グランマとの話を終え、一気に力が抜ける。いつもは親しみのあるグランマもこういう時は怖いくらいの気迫がある。
伊「でも良かったよ。公言できて」
『え？』
伊「交際を公言すれば一緒に仕事できる機会も増えるだろうし、ルルカに何かあった時堂々と守れるからね」
兄さんはそう言って私の頭を優しく撫でた。優しい声に幸福感でいっぱいになる。
『やっぱり拓司さんの声は優しくて甘い味がしますね』
伊「それはそっくりそのままルルカへの愛だよ」
ドヤ顔でそんなことを言うもんだからつい笑ってしまう。
『……私はもう妹ではなくなってしまうけど、それでも私のことを愛してくれますか？』
伊「愚問だよ。俺はお前が好きなんだから。名前が変わったって、関係が変わったって、それだけは変わらない」
兄さんの声が耳に触れるたび、甘美な味が口全体に広がる。嘘を吐いている時はもっと嫌な味になるから、その言葉は兄さんにとって本心だとわかって嬉しくなった。
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雪音(プロフ) - rioさん» コメントありがとうございます！これからもご期待に添えるよう頑張ります！ (2020年9月23日 21時) (
レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - この物語大好きです、！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪音 | 作成日時：2020年9月22日 18時
