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Aside
キョロキョロしてるとソファーに座る兄さんを見つけた。死角から忍び寄って袖をクンッと引っ張る。
伊「……………A？」
私の名前を呼んで固まってしまった兄さん。え、これ似合ってなかったかな……？
『わん………』
河村さんに「伊沢はAちゃんが「ワン」って言っただけでオチる」と言われたのでとりあえず鳴いてみるが兄さんと全く目が合わない。やっぱり似合ってなかったんだ……来世に期待した方がいいかもしれない。
伊「……犬って手の匂い嗅ぐと落ち着くらしいよ」
そう言って手を差し出してきた兄さん。言われるがままその手に近づくと兄さんの匂いがして嬉しくなる。
伊「撫でていい？」
兄さんは差し出した方とは逆の手を私の頭の上に持ってきてそう言った。私がコクコクと頷くと優しく微笑んで、犬耳の付いていたフードを脱がす。そして、割れ物を扱うかのように丁寧に撫でてくれた。
『兄さんの手あったかい……』
伊「Aは髪サラサラだよなぁ。羨ましい」
『当たり前でしょ。兄さんの隣に立つ人間としてふさわしい存在にならないと』
小さい頃から…というか兄さんのことを好きだと自覚してからはずっとそう考えてきた。自分の怠慢で彼に相応しくない人間になるのが怖くて、自分磨きには一層力を入れてきたし、モデルとしてスカウトしてもらえたのもその結果だと思う。
『なんか眠くなってきた……』
伊「寝てもいいよ。……おいで」
兄さんは自分の膝をぽんぽんと叩いてここで寝ろと促してくる。ありがたく兄さんの膝に自分の頭を預けるとまたゆっくりと頭を撫でられた。
『兄さん……おやすみ……』
伊「ん、おやすみ」
私はそのまま意識を手放した。
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雪音(プロフ) - rioさん» コメントありがとうございます！これからもご期待に添えるよう頑張ります！ (2020年9月23日 21時) (
レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - この物語大好きです、！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪音 | 作成日時：2020年9月22日 18時
