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ふくらside
『まさか……っっ！』
伊沢がいると察したのか部屋から逃げようとするAちゃん。
河「Aちゃん。逃げないで」
『っっ！！やっぱりいるんですね……兄さんが』
河「Aちゃん、もしAちゃんが僕に少しでも恩を感じてるんだとしたら、伊沢の話を聞いてやってほしい。これは、伊沢の友人の1人である僕からのお願いだ。……頼む」
そう言って河村はAちゃんに頭を下げた。それにはAちゃんも堪えたようで、逃げようとする足を止め、河村に駆け寄る。
『そんな、顔を上げてください。……わかりました。話をするだけなら』
河「…ありがとう。伊沢のこと呼んでくるから、逃げないでね」
河村はそう言い隣の部屋にいる伊沢を呼びに行った。数分後、2人は戻ってきたけど、伊沢の手には何故か2人分の早押し機が。
伊「A……」
『兄さん…』
伊「クイズ、やんね？」
『………わかった。いいよ』
伊「！！よし！じゃあ河村さん！問読み！してください！」
あからさまに嬉しそうな顔をした伊沢が河村に問読みをお願いする。河村も呆れた顔をしながらも嬉しそうだ。
伊「A、ルールは一回勝負。もしお前が勝ったらもう俺はお前を探さないし、そばにいろなんて言わない。だけどもし俺が勝ったら……俺と付き合ってください」
『へ………？』
伊「あ……なんか順番があれだったな。A……俺、お前のこと好きだわ」
『え……えっと……？』
あからさまに困惑しているAちゃん。そりゃそうだよね。この間は迷惑だって言われたのにいきなり好きだなんて言われたら誰でもこんな顔になると思う。
河「ほら、始めるよ」
伊「A、本気でな」
『う、うん……？』
河「……問題」
まあ、結果的に言えばAちゃんが勝った。東大王の放送以来見ていなかったAちゃんのクイズの技術はブランクがあるとは思えないくらい鋭くて、伊沢に押し勝つレベルだった。
伊「あー！負けた！くっそぉぉ勝てると思ったんだけどなぁ」
『兄さん、なんでクイズなんで仕掛けてきたの…？』
伊「ん？ああ……これが一番上手くコミュニケーション取れるかなと思ってさ」
『……？』
伊「Aになんて謝ろうかずっと考えてた。でもどんな言葉もしっくりこなくてさ。これでなら……普遍的な言葉なんてなくてもコミュニケーション取れるかなと思って」
『………ほんとダッサい』
伊「⁉」
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雪音(プロフ) - rioさん» コメントありがとうございます！これからもご期待に添えるよう頑張ります！ (2020年9月23日 21時) (
レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - この物語大好きです、！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪音 | 作成日時：2020年9月22日 18時
