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伊沢side
『兄さん……私の気持ちは、迷惑でしたか…？』
縋るように俺を見つめるA。もちろん迷惑なんかじゃなかった。むしろ嬉しかった。大人になってもこうやって兄を慕ってくれる妹なんてそうそういない。
だけど、今のAに中途半端な希望を与えてはいけない。それが最終的に絶望を呼んでしまうのだから。
伊「…うん。迷惑だったよ」
『そっ……か…』
Aの目からはもう涙は流れていなくて、顔は絶望に染まっていた。最後に小さく「ごめんなさい」と呟き、オフィスから出て行った。
ふ「……伊沢」
伊「わかってます。すみません。家帰ったらちゃんと謝ります」
家に帰ったらちゃんと謝って、そうすればAは困ったように笑って、「仕方ないなぁ」って仲直りして。明日からはまた仲の良い兄妹でいられる。そう信じて疑わなかった。
でも、そんな俺たちの日常はもう戻ってこなかった。
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雪音(プロフ) - rioさん» コメントありがとうございます！これからもご期待に添えるよう頑張ります！ (2020年9月23日 21時) (
レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - この物語大好きです、！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪音 | 作成日時：2020年9月22日 18時
