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第四章 三話 ページ33


泣いてる。





声を殺してひっそりと。





涙をポロポロと零しながら、





泣いてる。






まるで目の前で身内が殺された時のように






泣いてる。






私はその姿を見て思い出した。






私が時柱に就任した頃。






私が守り続けてきた街の1つが鬼によって崩壊してしまった時の事を。





私はその時出遅れてその街へと駆け寄ったが、その時は既に街の3分の1の人間が食われていた。





私は怒りに狂い、その街を襲った鬼を跡形もなく切り裂いた。






その後私は死んだ人々の埋葬を手伝い、何時間もの間埋葬した所で手を合わせた。






孫を亡くしたもの。子供を亡くしたもの。両親を亡くしたもの。兄弟を亡くしたもの。祖父母を亡くしたもの。婚約者を亡くしたもの。親友を亡くしたもの。仲間を亡くしたもの。





沢山の人が亡くなり、沢山の人が涙を流した。






街の皆は私を恨むと思っていた。





でも街の皆は私が手を合わせ言葉を発している姿を見てポロポロと涙を流していた。






子供達は私に抱きつき泣き喚いたり、




御年寄は私を前にすると手を合わせ涙を流したり、




皆、私を前にすると涙を流すようになっていた。





その頃の私は、申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。






だけど、1か月前のお館様と刺桐時朗の言葉を聞いて、全て理解した。







街の皆が私に伝えたかったことを。






きっとそれは私に零ノ型を使って欲しかったんだと思った。






時柱である私ならそれが出来るかもしれないという思いで私にすがり付いて来たりしたんだと思った。






でも、零ノ型は未だ未完成。使った者がこの世に戻ることは無い事は世間に知れ渡っていたから、





街の皆は決して私に「零ノ型を使って欲しい」と言わずに涙を流していたんだと考えた。






街の皆にも私は最初から人間として見られていなかった。






今目の前にいる炭治郎も街の皆のようにポロポロと涙を零している。






でも、何故泣いているんだろう。





私が時の呼吸を使うと知っているのなら、街の皆の様に私に零ノ型を使って欲しいと言えずに泣いているのかもしれない。





でも、そんな事は知らないはず。





なら何故、あの時の街の皆の様に泣いているのか、





私は気になってしまった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 夢小説 , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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ゆっくり四つ葉 - いいのか、、、888評を889評にしてしまって、、、!素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年9月14日 20時) (レス) id: 558ca2fe7e (このIDを非表示/違反報告)
莉華 - あゅみさん» ホントですよですよ!!!!あぁ.......尊い.... (2019年12月15日 23時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)
あゅみ(プロフ) - 莉華さん» 無一郎くん可愛すぎて永久保存ものですよ笑 (2019年12月15日 21時) (レス) id: c188dca51c (このIDを非表示/違反報告)
あゅみ(プロフ) - 肯定的なトマトさん» 無一郎くん尊いですよね泣 (2019年12月15日 21時) (レス) id: c188dca51c (このIDを非表示/違反報告)
莉華 - ん"ん"ん"........!!!!むいくんがかあいい....!!!! (2019年12月15日 16時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とーにゅ | 作成日時:2019年12月1日 21時

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