【青春×機関銃】小動物系少女とサバゲ

ヘタレで素敵なヒーローさん ページ10

｢蛍くん…大丈夫かな…初めてでゾンビとか…嫌な経験にならなきゃ良いけど…｣

私自身もゾンビは、嫌いだけど…初めてのゲームでゾンビ…嫌な思い出になったりしないかな？

｢いや…それは大丈夫そうだったぜ？むしろ悪を断罪するとか言ってたし…｣

まっつんが苦笑しながらそう答えてくれる。

｢悪を断罪するって正義のヒーローさんみたいでかっこいいね｣

｢だろ!?俺もアイツのこと気に入ってんだ｣

まっつんが真っ直ぐに前を見つめてそう答える…中学の時から変わってないなぁ…。

｢まっつんも正義のヒーローさんだよ？｣

だって、あの時、ゆっきーも私も救ってくれた…ちょっとヘタレだけど素敵でかっこいいヒーローさん。

｢…俺は…そんなんじゃねぇよ｣

少しだけまっつんの表情に影が射す。

｢でも、私の中では昔と変わらずヒーローさんだから！｣

まっつんの少し前を歩きくるっと振り返り手を広げてまっつんのかっこよさを表情してみる。

｢春乃は…変わったよな…｣

｢えっ!?まさか老けちゃったとか!?時の流れには私も勝てないよ!?｣

スキンケアは、欠かさずやってるんだけど…ちょっと肌のハリがなくなってきたとか!?

｢んなんじゃねぇよ…その…可愛くなったって言ってんだよ｣

まっつんが顔を真っ赤にしながらそう言ってくれる。

｢いやいやいやいや！別に変わってないし！こんなところでもホストモードしなくていいから！｣

思わず、私まで顔が真っ赤になり、誤魔化すように急いでゆっきー達の元へ向かった。

｢おかえり、春乃、まっつん！…二人ともどうしたの？顔真っ赤だけど…？｣

ゆっきーが訝しげにこちらを見てくる。

｢本当ですね！まさか具合が悪いのでは!?立花、氷を貰ってきましょうか？｣

蛍くんが焦ったようにバタバタしだす。

｢｢いやいや！大丈夫だから！｣｣

何故かまっつんと声が被る。

｢…息ぴったりだね、二人共…まさか俺のいないところで…｣

少し怒りと興奮の入り交じった声でゆっきーが何かを言おうとする。

｢ゆっきーが思うような如何わしいことはしてねぇよ！｣

何故かムキなったようにまっつんが返す。

｢なんだ…残念………良かった｣

｢？ゆっきー何か言った？｣

｢別に｣

素っ気なく返されてしまった。…一体、何て言ったんだろ…。

『トーナメント2回戦開始します！』

｢あっ…始まっちゃう！行かなきゃ！｣

まっつんに可愛いって言われた時のドキドキがまだ続いてる…。

振りきるように銃に弾を込めた。

まっつんとフラッグ戦→←フラッグ戦開始直前

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