ゆっきー大好きだよ! ページ50
車が月城荘に着くと、ゆっきーの後ろを着いて行く。
「………」
「………」
お互いに無言なのが辛い…早く前みたいに話せるように…その前に…好きって言わなきゃ…。
「…春乃?入らないの?」
私が頭を抱えてグルグルしているとゆっきーが部屋のドアを開けて待っていてくれた。
「あ…あの!やっぱりいいや!今、部屋に入っちゃうと色々いっぱいになっちゃう!」
「はぁ…」
ゆっきーが訳がわからないとでも言いたげに返事をしてきた。
言わなきゃ!言わなくちゃ!
勇気がでない…そんな意気地無しな自分なんてどっかに置いてけ!
言葉を発する前に私は、ゆっきーにぎゅっと抱きついた。
「!?春乃」
ゆっきーが凄く動揺したように私を見つめてくる。
すぅ…と深く呼吸をして呟く。
「ゆ…き…好き」
「え?」
余りに小さな声は、冷たい空気に吸い込まれた。
「ゆ!ゆっきー大好きだよって言ったの!」
顔をあげて勇気を出して大きな声で言うことができた。
「…うん、知ってるよ。…でも、俺の好きと春乃の好きは…違うから」
優しく頭を撫でられる。…でも、それをやるゆっきーの表現は、とても悲しそうで…。
「違う。違うよ。一緒だよ。…あのね、最初は、ゆっきーのこと幼馴染みとして好きなんだって思ってた。…でも…でもね…考えちゃうの…ゆっきーのこと…いっぱい。」
「春乃」
ゆっきーが目を見開いて私を見つめてくる。
「私は、意地悪だけど優しいゆっきーが好き。ちょっとえっちだけど暖かいゆっきーが好き。泣き虫だけど友達のために泣いたり怒ったりできるゆっきーが好き。…ゆっきーの全部が…大好きなの…他の誰にも…ゆっきーの隣あげたくないの…私は、ゆっきーが…雪村透くんが大好きです」
緊張して溢れだした涙でゆっきーの顔が見えない…けど…言いたいこと…言えたよね?
「じゃ…じゃあ…帰るね!」
目元をゴシゴシと拭い、走り出そうとするとパシッと腕を掴まれ、後ろから抱き締められた。
「ゆ…ゆっきー」
「…今の言葉…本当?」
今にも消えそうなか細い声で問いかけられる。
「本当…だよ」
「俺…変態だよ?」
「…うん」
「友達、まっつんと立花君しかいないよ?」
「…うん」
「あと…俺…」
モゴモゴとまだ何かを言おうとするゆっきーに後ろを振り向いてキスをした。
ちゅっ
「!?」
「全部纏めて…大好きだから…ゆっきーのこと」
顔を真っ赤にしたゆっきーが真剣な瞳で呟いた。
‘俺も春乃が大好きだよ’
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椎葉 歌乃葉(プロフ) - 翠華さん» 大好きって言っていただけて嬉しいです!ゆっきーと夢主ちゃん可愛いって言ってくださり、ありがとうございます。無理のない程度に頑張ってこれからも更新していきます!コメントありがとうございました! (2015年9月23日 15時) (レス) id: cd40bfd4d5 (このIDを非表示/違反報告)
翠華(プロフ) - この作品大好きです!ゆっきーと夢主ちゃんが可愛すぎて最高です!無理のないように更新頑張ってください♪( ´▽`)楽しみにしてます! (2015年9月23日 7時) (レス) id: a8faf88f93 (このIDを非表示/違反報告)
椎葉 歌乃葉(プロフ) - もふ丸さん» ゆっきーが、かっこ可愛く見せられていて嬉しいです!ありがとうございます!ゆっきー、本当にかっこ可愛いので少しでも文章でゆっきーのかっこ可愛さを表現できるようにこれからも精進します!コメントありがとうございました♪ (2015年8月21日 19時) (レス) id: cd40bfd4d5 (このIDを非表示/違反報告)
もふ丸 - 椎葉さんの作品のゆっきーすっごくかっこかわいいです! 更新頑張って下さい! (2015年8月21日 16時) (レス) id: a44c4eda16 (このIDを非表示/違反報告)
椎葉 歌乃葉(プロフ) - 桜月クレハさん» 面白いって言っていただけて嬉しいです!至らぬ点も多い作品になってるとは思いますが、これからも少しでも楽しんでいただけるような作品が作れるよう頑張ります。コメントありがとうございました♪ (2015年8月19日 19時) (レス) id: cd40bfd4d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椎葉 歌乃葉 | 作成日時:2015年8月17日 19時