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『母さん、父さん、いってきます。』
そう別れの挨拶を交し、ハグをする。
「新学期も頑張るのよ」
という母の声をさえぎり
「辛かったらすぐに帰ってこいよ」
と父に泣きながら頭を撫でられる。
優しく誠実な母と心配性でちょっと気の弱い父、そんな両親が僕は大好きだ。
正直泣くつもりなんてなかったけど、父の涙にあてられて 目頭が熱くなるのがわかった。
そんな感動の別れをぶち壊すかのように
「これはこれは、感動の別れの挨拶かな？A」
人生最後という訳でもないのに、というように鼻で笑いながら声をかけてきた。
最早顔を確認しなくても、もっと言えば変声機を使っていてもこの人を小馬鹿にした喋り方が誰の口から発せられたものかわかってしまう。
嫌味を無視して挨拶だけしようとすると
彼に似た、彼には劣るが美しく長いブロンドを靡かせながら男性がこちらに向かってきて
「これはこれは、Aさんではありませんか。御子息がグリフィンドールと聞いて驚きましたが、どうやら組み分けに失敗したようですな。」
この嫌味な喋り方にブロンドの美しい髪、青白く不健康そうに見える肌。十中八九この人がドラコの父親だろう。
「やぁルシウス。相変わらず元気そうでなによりです。」
目には目を、歯には歯を、嫌味には嫌味を
これは母の教訓である。
いつもはヘタレな父も、息子をバカにされて黙ってはいられなかったようだ。
父が目には見えない稲妻をバチバチと音を鳴らしながらドラコの父に向けるが、ドラコの父は自分がなにか間違ったことを言ったのか、というような顔をして黙っている。
そんな中咳払いをした母が
「あなたもよフィル、無理して仲良くしなくていいんだからね。」
と僕に耳打ちをしてくれた。耳打ちと言ってもほとんど聞かれているだろう、という声のボリュームだ。母は強し、とはこのことだろう。
そうこうしている間にそろそろ汽車が出発する時間になった。
ドラコの父に「ぜひうちの子と仲良くしてください」というような眼差しを向けられながら汽車に乗り込んだ。
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あられ(プロフ) - れいなさん» コメントありがとうございます。盲点でした！あまりがっつり描写しない予定ですが、一応わたしの中ではドラコ受けです。 (2023年3月22日 10時) (
レス) id: eb7af9fd92 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - ドラコって受け何でしょうか？そういうの決めてなかったらすいません。 (2023年3月21日 17時) (レス) @page25 id: be0b1c96e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年1月16日 21時
