ニワ ページ2
「今日は転入生が来るそうですよ〜」
殺せんせーがそう言った。
暗殺を始めて数日が経った今、転入生だなんて暗殺関係だとしか思えない。
僕の心臓は密かにどくどくと音を立てた。
「女子？男子？それともオカマ！？」
「きょっ、巨乳はんたーいっ！！」
……？
「……殺せんせー」
「何ですか渚君」
「『来るそうですよ』って？先生は会っていないの？」
僕の言葉に先生は顔に赤丸を浮かべて
「流石です渚君。鋭いですね〜！」
正直言って気持ち悪い。
「そうなんです、実は先生も会ってはいないんですよ〜……というか、烏間先生が急に連絡して来たんです！！」
酷いですよね、先生は担任教師ですよ！とかなんとか。
どうにか僕たち全員で宥めて収めた。
これじゃどっちが生徒か先生か分からないよ……。
ビッチ先生みたいな人だったとしても、僕らと同い年ってことだから仲良くできるかな？
「ぐぬぬ……！私は巨乳じゃなければきっと仲良くできるはず」
「あはは、茅野ってば」
ｶﾞﾗｯ
教室のドアの開く音がした。
突然のことにみんなはびっくりしてドアの方を向く。
「……」
いつもならそこに居るのは烏間先生だったけど、今居るのは白髪の女の子だった。
「か、可愛い」
「天使みたーい」
「白髪って珍しいな」
そんな声を無視するようにそこに立っている女の子。
この子が暗殺者？
何も見えてないみたいなその表情が僕は少し怖く感じた。
「あ、あの……」
殺せんせーは掴めない転入生の態度におろおろして……何その慌て方。
なんかお茶淹れだしたんだけど。
「まあまあリラックスして！！先生は先生です、怖くありませんよ！！！！」
「その顔でリラックスとか言われても〜！」
誰かの一言で笑いに包まれる教室。
それを見た女の子は、急に身を翻して走り去って行ってしまった。
ﾁﾘﾝ
白髪が激しく揺れる。
「にゅにゃっ！？」
「ちょっ、逃げちゃったの？」
「センセーのせいだよ！連れ戻して来て！」
「にゅ……」
走って行った転入生に僕らは少しなりとも動揺していて、
仲良くできるかな？なんて疑問に思ってしまったのは
無理もないことだと思う。
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作者名：リン | 作成日時：2018年2月15日 7時
