【イナイレ】歪んだ愛を愛してる (ページ8)

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歪んだ愛情捌ページ8

豪｢……｣

あら？目が合ったような合ってないような。

すっかりやる気になってしまった円堂守くんを尻目に豪炎寺修也くんは河川敷下からこっちへ。

木野秋さんアフターフォロー大変でしょうに。

豪｢…………｣

何なんだと言いたげな目で睨まれるので。

『豪炎寺修也くんがサッカーをしていなかったら、夕香さんはあんな大怪我を負わずに済んだでしょうね…そうですよね、勿論です。』

豪『お前…何故それを知っている！』

『知ってますよ。見てましたから』

豪｢見てただと？｣

『それよりいいんですか？あのまま放っておいて。これじゃ円堂守くんたち、死んじゃいますよ？まあ、弱いので仕方がありませんが♡』

弱かったら負ける、強かったら勝つ、それは当たり前のことです。

だからこそ強者であり続けることでサッカーを愛する歪んだおじ様が好き♡

『いいんですか？死んじゃっても！夕香さんみたいに喋ることすら出来なくなってしまうかもしれないんですよ！あっ、もしかして…円堂守くんしつこいし死んじゃってくれたほうが有難いですかね？』

何だか興奮して来て、早口で捲し立てると目の前の彼は不快そうに顔を歪めた。

豪｢何言って、｣

『腕の1本足の2本でも簡単に崩れてしまうかもしれませんね！うふふ』

あら？豪炎寺修也くんの綺麗なお顔がどんどん歪んでいきます。

ゆっくり彼と距離を縮めて、耳元で囁く。

『本当は…サッカーがしたくてしょうがないんでしょう？』

ふふ、これはきっと悪魔の囁きですね…なんて。

＊＊＊＊＊

その女は、長い黒髪を揺らして笑っていた。

不謹慎な言葉を上品な言葉遣いで並べ立てる。

しかも、オレと夕香のことを知っていた…。

何者なんだ、こいつは。

桃色の瞳で見つめるこいつに背筋が震えた。

そしてこいつは、立ち去る寸前で囁く。

『本当は…サッカーがしたくてしょうがないんでしょう？』

年に似合わぬ妖艶な笑みが囁きに拍車をかけ、オレはさながら悪魔の囁きだ、と思った。