歪んだ愛情 陀 ページ7
木｢あ！やっと見つけた！またここにいたの？円堂くん｣
円｢おお、秋！｣
木野秋さんの後に着いていくと円堂守くんと…小学生。
やっぱり冬海さんの通告通り小学校のサッカークラブに混ぜてもらっているっていうのは本当らしいですね。
そっか、じゃあそろそろですね。
それにしても悲しいですよね……同年代の仲間がいないなんて。
とか何とか考えてると円堂守くんは身なりのよくない男に絡まれていました。
なんてことでしょう！彼の周りでは常に何かトラブルでも起きているのでしょうか？…なんちゃって♡
円｢お、おい！ボール返せよ！｣
｢あぁん？返して欲しけりゃ奪ってみろってんだよ！｣
円｢うぐ…っ｣
木｢円堂くん！！！！｣
｢……いいねえ、弱小チームのキャプテンでもこーんな可愛い女の子が守ってくれて｣
苛立ちながら大人気ない言葉を並べ立てる彼等を冷めた目で見つめる。
そして、男の蹴ったボールは勢いよく小さな女の子へ。
瞬間、あの光景がふと浮かんだ。
茶髪の三つ編み、トラック……おじ様。
木｢……っ！｣
円｢おい！やめろー！！！｣
ﾊﾞｼｯ
赤みがかった金髪を重力に逆らわせるように立てた彼。
足との摩擦で出来た炎のカケラがボールに纏って打ち返される。
｢ぶっ！！！！｣
｢てめえ！｣
彼だ……豪炎寺修也くん。
おじ様が求めている才能…！
圧倒的な強さを前に、年下であるのも忘れ恐れをなして逃げ出す男たちが私の側を走って行く。
『お疲れ様です〜♪』
円堂守くんを痛めつけるだけでなく豪炎寺修也くんの誘き出しにも成功するなんて彼等は最高です！また使わせて貰いましょう♡
円｢おい！お前！今のすげーな！！！｣
豪｢……｣
あら、話してますね。
勧誘でしょうか、何せ部員不足の弱小チームですから。
おじ様の"お目当て"も豪炎寺修也くんですし！
モテモテですね〜、嫉妬してしまいます。
豪｢オレはもう、サッカーは辞めたんだ｣
円｢おいっ！何でだよー！｣
あらら〜、やっぱり、そうですよね。
おじ様が妹さんを殺しかけちゃったんですもの！
まあ、元々豪炎寺修也くんがサッカーをしていなかったら妹さんも怪我しなかっただけなのですけれど！
つい吹き出してしまいました。
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作者名：リン | 作成日時：2020年6月9日 13時
