月と嘘 (ページ6)

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四話ページ6

「あの、それでヴァレンシュタインさんのことを……」

「う～ん……ギルドとして教えられるのは、公然となっていることくらいだよ？」

怒っていたけど普通に教えてくれるあたり優しい人だよね、エイナさんって。
まぁ、本気で心配してくれてるからこその怒りなんだろうけど…

「本名アイズ・ヴァレンシュタイン。ロキ・ファミリアの中核を担う女剣士。
剣の腕前は間違いなく冒険者の中でもトップクラス。

単独でLv5相当のモンスターの大群を殲滅したこともあり、冒険者の間でついたもうひとつの渾名が『剣姫(けんき)』をもじった『戦姫(せんき)』。

下心を持って近寄ってくる異性は軒並み玉砕、あるいは粉砕。ついこの間とうとう千人斬りを達成……
神様たちからも称賛されてるらしいね」

公然とは言え、知らない情報もあった。
てか千人斬りってなに…？

「あ、あの趣味とか好物とかの情報は……」

あ、ベルが一歩踏み込んだ。
そんなにアイズさんを好きになったのかな。

いつもは可愛い人の前でもじもじしてるだけなのに…

そのあからさまな行動にエイナさんも気づいたみたい

「なぁに、ベル君も彼女のこと好きになっちゃったの？」

「いや、その……ぇぇ、はい」

…今まで一緒にいたから、ここまで素直に肯定されると少し妬けちゃう…
否、別にベルに対して恋愛感情を持ってる訳じゃないけど……なんか、ずるいなぁって…

「まぁ、しょうがないのかな。同性の私でも彼女には思わずため息をついちゃうし」

なんて、笑ってるエイナさんも十分綺麗なんだよなぁ。

ハーフエルフだけあって顔は整ってるし、何と言っても宝石のような緑玉色(エメラルド)の目が物凄く好き。
物腰は優しいし、話しかけやすい、エルフは厳しい人が多いから、そのギャップでやられちゃう人も多そう……