月と嘘 (ページ14)

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十一話ページ14

今日はベルがコボルトの群れに挟み撃ちにされていましたまる。

「……」

うーん…やっぱり成長が速いなぁベルは。
ほんの少し前まではコボルトの群れに会ったら逃げ回るだけだったのに。

帰ってきてからの【ステイタス】更新ではその速さが目に見えてわかる。

何度も見直して、ご主人にも確認して、ご主人を拗ねさせてた。
これだから鈍感な天然タラシは……

ご主人はそのまま、バイトの打ち上げがあると言い最後までベルと目を合わぜずに出ていってしまった。

「……今のはベルが悪いからね」

「ええっ!? って、ル、ルナは神様の怒ってる理由わかるの!?」

「……そういう所だよベル」

と言っても分からないのか、あたふたしてるベルを少し冷たい目で見る。

「はぁ…行こベル。約束もあるし」

「う、うん……」

少しいじめ過ぎたみたい。
私の後ろをとぼとぼ歩くベルに少しの罪悪感を覚えながら日の沈みかかった街を歩く。

シルさんのお店に着く頃には立ち直っていたけどね。

見覚えのあるカフェテラスを見つけ足を止める。
この酒場の名前は『豊穣の女主人』。
すごい名前だよね。

女将さんはドワーフ。
と言ってもヒューマンと何ら変わらない身長。
店員にはキャットピープル等の亜人(デミ・ヒューマン)達も多く居る。

店内は明るい雰囲気でなんて言うんだろ？居酒屋？みたいな？うーん、分かんない。
まぁ、店員さんは皆女の人だから鼻の下伸ばしてる人もいるけどね。