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A「あの、教科書まだ持ってなくて見せて欲しいんだけど…」

「おれに言われてもそんなの持ってない」

A「え、」

「黒板見てりゃ分かんだろ」



チッ、と舌打ちをされて怯える。
半泣きになりながら引き下がると、前の席の女の子が苦笑いをしながら副教材を貸してくれた。


ああ、…怖い人だけじゃなかった。





*

*



前の席の女の子は、野木美真ちゃんと言った。

清楚系の、美人さん。
眼鏡をかけて真面目そうに見える。

聞いてみると学級委員なのだとか。



A「隣の男の子、あんなに怖いって知らなくて、」

美真「学年でも有名なヤンキーだからね…頭はいいんだけど。」

A「え?!ヤンキーなのに?!」

美真「黒板だけ見てれば理解出来ちゃうみたいで。
…性格があんなのだから、誰も近寄らないよ。
ずっとずっと橋本涼くんって男の子と2人。」



A「…橋本涼?」




その名前を聞いた瞬間、私の頭に過ぎるのはヤンチャしてたクラスの同級生。
よく転けさせられたり、冷やかされたりして泣かされてた、涼くん。




美真「知ってる感じ?」

A「…ねえ、この隣のヤンキーくんって、名前…」

美真「あ、聞いてなかったんだ。この人の名前は___」







「井上瑞稀だよ」






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りうね(プロフ) - にこりさん、おかえりなさい!とっても嬉しいです。邂逅楽しみにしています。 (2019年7月23日 17時) (レス) id: d5bba296a6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 読みやすくて面白いです!これからも更新楽しみにしています! (2018年6月10日 14時) (レス) id: 6853d820e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にこり。 | 作成日時:2018年5月8日 22時

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