今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:58,249 hit
小｜中｜大
ら ページ4
.
*
*
ランチケースを片す桜木さんに、すうっと息を吸って話しかける。
今はまだ、オレのこと好きじゃなくていいから。
興味を持って欲しくて。オレの方を向いて欲しくて。
優斗「Aちゃんって呼んでいい？
オレのことも優斗でいいから！」
A「…好きにしていいよ」
優斗「っしゃ！Aちゃん！」
A「優斗くんってさ。」
優斗「ん？」
A「…つまらない人だね」
ボソリと呟かれた言葉が刺さる。
ウワー！つまんないか。オレ。
いや、確かに一人でケラケラ笑ってるけど！
優斗「ごめん！いつも一人で滑っちゃうんだよね〜、はは…」
A「そうじゃなくて。」
優斗「？違うの？」
A「…私のことを好きになるなんて、つまらないな、って。」
冷たい、静かな目と目が合う。
つまらなくないよ、ってそう言いたいのに
金縛りにあったみたいに身体も口も動かなくなって。
A「みんな、私のことを好きなのは見た目だけ。
桜の花と同じ。桜が咲けばみんな興味を示すのに、散れば誰にも愛されない」
私と、同じ。
そう呟いた彼女に、オレは何も言えなかった。
口を噤んだオレに、彼女はフッと自嘲的に笑う。
そして、「いいよ」と言った。
優斗「…なにが？」
A「付き合ってあげても」
優斗「…え？」
A「好きなんでしょ、私のこと。
いいよ、二番目だけどね。」
告白して、一週間後。
オレは、彼女の二番目の恋人になった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 605人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこり。
| 作成日時：2018年4月4日 21時
