瑞稀くん、拾いました。

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桜が舞う季節。

猫くんがいなくなって五度目の春。



元気にしてるのかなあ。



「はじめまして。新任の橋本涼です。
初めての学校ということでかなり緊張していますが、精一杯頑張りますので宜しくお願いします。」



新任の先生の挨拶に、拍手を送る。

若いなあ。


歳は…猫くんと同じくらいに見えるけど。

そっか、もうそんなに月日が流れてるんだ。



「橋本先生の教育担当は宇佐美先生で。」

A「宇佐美です。分からないこととか相談、何でも聞くからすぐ言ってね。これから宜しく」

橋本「…っはい！」



キラキラした瞳で橋本先生はそう返事をして、私は早速この後の段取りを橋本先生に説明する。



A「って感じかな。
隣のクラス受け持ってるから、なにかあったらすぐ、」

橋本「あの、」

A「ん？」

橋本「こんなこと聞いたら失礼だと思うんですけど…
彼氏、とかいます？」

A「へ、」

橋本「あっもしかして結婚してるとか！」

A「いやっあの、結婚してないけど…」

橋本「っしゃ！」

A「あの、…」



「じゃあ俺頑張ってきます！」ってキラキラした笑顔を私に見せると職員室を飛び出した橋本先生。
え、嘘でしょ……？



今の、なんだったの？




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