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｢あ｣
声が重なった。
屋上に向かう最後の階段。
一人で座ってる猫くんを見つけた。
嘘。一人じゃない。もう一匹いる。
｢ニャー｣なんて鳴いてるのは、猫くんのふざけた真似なんかじゃない、本物の猫だ。
瑞稀｢タイミングばっちり、先生｣
A｢…私は会いたくなかったけどね｣
瑞稀｢え、なんで？｣
なんでって。
猫くんが話してくれてないのに、別の人から聞いたからだよ。
瑞稀｢先生に話したいことあって、どうやって伝えようか悩んでたとこ｣
座ってって隣をポンポンされるから、私は指示に従って座る。
子猫が私の方に向かって手を振りながらニャーと鳴くと、猫くんは｢まだだめ｣って猫を包み込んだ。
瑞稀｢…おれ、アメリカ留学しようと思ってる｣
A｢…さっき岩橋先生から聞いたよ｣
瑞稀｢は、岩橋話したのかよ｣
泣かれたらどうやって慰めようって真剣に悩んでたのに、おれって不貞腐れた猫くんが子猫に顔を埋める。
A｢今、既に泣きそうだから慰めてよ｣
瑞稀｢…じゃあ、はい｣
猫くんの方を見ると、ムスッとして顔で子猫を差し出される。
え、どういうこと？癒されて？ってこと？
瑞稀｢おれから先生に初めてのプレゼント。
これで寂しくないでしょ。｣
チリンと子猫の首輪の鈴が鳴った。
はは、そういうことなの？
A｢…寂しいに決まってるじゃん…｣
涙が溢れて来そう。
この子が代わりって。
猫くんには会えなくなるのは必然なのに。
瑞稀｢あーもう泣かないで。はいはい、好きだよ｣
A｢適当すぎっ｣
瞬間。
ぎゅっと抱きしめられて、子猫が私の膝から降りた。
猫くんの香りが鼻腔に嫌というほど入って、また泣きそうになる。
瑞稀｢…絶対迎えに行くから｣
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永瀬優 - 面白かったです♪パスワード教えてくれませんか？ (2020年2月1日 17時) (
レス) id: fba5318eb6 (このIDを非表示/違反報告)
けぃ(プロフ) - パスワード教えて欲しいです！ (2019年12月3日 3時) (レス) id: 53a60a21d0 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 面白かったです！パスワード教えてもらうことってできますか？ (2019年5月1日 18時) (レス) id: d0f8e24141 (このIDを非表示/違反報告)
りるりる - パス教えて欲しいです！ (2019年3月19日 15時) (レス) id: 0cecd5caf4 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 一回で読んだんですけど、めちゃくちゃ面白くて続き読みたい！織山さんと同じでパスワード教えてもらうことってできますか？ (2018年10月18日 22時) (レス) id: 576c709961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこり。
| 作成日時：2017年10月28日 0時
