瑞稀くん、拾いました。

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職員室の扉をガラガラ引いて死んだ顔でおはようございますを機械的に言うと、年配の先生方にぎょっとした目で見られる。

そのまま自分の机に移動すると、岸先生はもう既に不在だった。



… 気、使わせちゃったかな。



ずっと隣なのにあんな事あったんじゃキツイよね…


｢あ！うさ先生いた！｣

A｢あ！じゃないでしょ、何？｣



先生来るの遅いよ〜なんて私が担任をしているクラスの浮所くんと作間くんがへらりと笑う。



うさ先生、っていうのはあだ名みたいなもので。
宇佐美の宇佐から来てるらしい。
女の子からはうさちゃんって呼ばれることもしょっちゅう。



浮所｢岸先生元気ないんだけど、うさ先生となんかあったっしょ｣

A｢なにもないよ｣

作間｢うっそだ！うさ先生の名前出したらぎょっとしてたよ｣



…あの人、すぐ顔に出るんだから。



A｢ほんとになにもありません！
あっても生徒には教えません！｣


下らないことしてないで教室戻りなさい、って促すとちぇ、と悪態を付きながら2人は渋々帰ってく。




浮所｢ついにうさ先生の婚期だと思ったのに。｣

作間｢あれ、うさ先生って岩橋先生と付き合ってるって噂なかったっけ｣

浮所｢あれはガセだよ絶対。
保健室の田中先生とラブラブって、隣のクラスの那須から聞いた、おれ。｣

作間｢えー、でもうさ先生岩橋先生と帰ってるとこ目撃されてない？｣

浮所｢そんなの同僚だから一緒にいることだってあるっしょ！｣



はあ…
教師の恋愛に首を突っ込まないでくれ。




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