Look ! / 31 ページ32
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瑞稀｢ねえ｣
A｢ん？｣
瑞稀｢ん｣
瑞稀が顔を赤くして手を差し出してきて、態と｢え？｣って言ってみると、
｢分かってるくせに！｣って手を掴まれる。
触れた指先からドキドキが伝わりそう。
瑞稀｢今日から、恋人なわけじゃん｣
A｢…うん｣
瑞稀｢幼馴染み止まりは、もうやだからね、おれ｣
｢手は繋ぎたいし、ハグだっていっぱいしたいし、キスだって…｣と指を折って数え始めるから｢ばか！｣と慌ててその手を止める。
瑞稀｢なに照れてんの？恋人だよ？するでしょ、全部｣
A｢な、なんか瑞稀じゃないみたい…｣
いつもぶっきらぼうな不器用な瑞稀からは想像出来ないような言葉だ…
赤くなっていると思われる目線を逸らすとすかさず瑞稀の言葉が降ってきた。
瑞稀｢だって、おれ何年待ったと思ってんの？17年だよ。待たせ過ぎだから｣
｢もう待たない｣と言う言葉と共に瑞稀に抱きしめられた。
瑞稀｢…こんなおれは嫌ですか｣
A｢我が儘な瑞稀でもいいと思います｣
瑞稀｢…これからいっぱい笑って、その代わりにいっぱい傷つけると思うんだけど、一緒にいてくれますか｣
A｢瑞稀といい思い出も悪い思い出も沢山作りたいです｣
そんなやり取りを終えるとゆっくり離れる瑞稀の身体。
最後に抱きしめられたのはいつだったろう。
多分、小学校低学年の瑞稀がまだ素直だった時期…
『ずーっと一緒にいようね！』
記憶を辿りながら瑞稀の顔を見る。
瑞稀｢やっとこっち向いてくれた｣
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作者名：にこり。
| 作成日時：2017年9月4日 23時
