目覚めは口付けで（2） ページ4
「どっか行く？」
「…どっか行きたい？」
質問を質問で返してくる。
私は君に聞いているんだよ、と思いながらも、私を気遣ってるのかなとも思ったり。
やっと視線をテレビから私へ移し、私の表情を伺っているようだ。
「んー、行きたい所ないかな。ていうか、暑いし」
まぁ私がインドア派ということもあるが、今日は本格的な夏と言っていい程、気温が高い。
外に出たら一瞬で溶けてしまいそうだ。
仕事ならそんな灼熱の中に放り込まれても文句は言えないが、休みの日にわざわさ辛い道を選ばなくてもいいだろう。
私の質問の答えを聞いて、彼は悩む素振りを見せずに、淡々と言葉を発した。
「じゃあ、家でまったりするか」
「うん、それでいい」
ある程度の話をし終えた瞬間、彼の腕が私のお腹に回り、私の身体を抑えてしまっている為、簡単に身動きがとれない状態に。
動けずにただ、ぼーっとテレビを見ていると、少しずつ重くなってくる瞼。
休みという事もあって私の脳は完全にオフっていて、目を擦って覚まそうとしたが、自然動作によって瞑られてしまうと、開く事が困難になってしまった。
首もカクカクっと船を漕いでいる私を見て、彼は私の首元に顔を埋めた。
「…また寝る？」
篭っていてもいい声で、喋ると彼の息が私の首元を熱くする。
その熱さで少し意識が戻ってきたが、やはり。
「眠たい」
そう言うと彼は私の手を引いて、寝室まで連れていってくれた。
二人ともベッドに横になり、彼の腕が次は私の腰に回り、私達の距離は近くなる。
「俺も寝る。お昼寝ならぬ、朝寝」
「おやすみ…」
そう言って目を閉じた時、私のおでこに柔らかい感触があった。
きっとキスしてくれたんだろう。
私もしようかなと思ったが、眠さがピークに達し、動く事が面倒になってやめた。
起きたら、彼におはようのキスをしよう。
〜〜☆
夏に書いたものです。
あと、評価ありがとうございます。
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noi＋(プロフ) - リンクさん» コメントありがとうございます。わぁ、そう言って頂けて嬉しいです（ ; ; ）亀更新ではありますが、たまに覗いて下さると嬉しいです(^^) (2017年12月10日 14時) (
レス) id: cc29532823 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - 『彼』も『私』も素敵で、とても面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2017年12月3日 23時) (携帯から) (レス) id: b3533b2202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noi＋ | 作成日時：2017年10月30日 5時
