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序章 ページ6

〜Aside〜


貴「ふわぁ……」


私は、横たわっていた身体を起こして欠伸をするとゆっくりと伸びをする。

さっき、とても懐かしい夢を見た。私が、村を出たあの日の夢……


父様と母様に別れを告げた7歳の誕生日の日の夢を……。


私は、いつの間にか落ちていたマントのフードを目元まで被り直し、近くに置いておいた黒の狐面を顔に付けた。

隣では、小さな子狸がスウスウと気持ちよさそうに眠っていた。この子は、先日、会った子狸のイマリ。


子狸なのに、喋れるという凄い子なのだ。何でも、姫神子様の言う、異世界の少女を探しているそうで、私も手伝っているのだ。


貴「イマリ、イマリ……?起きて、朝、だよ…?」


私がイマリの小さな身体を、少し揺するとイマリはパチッと目を開けた。


イ「あ、おはようございます!!Aさん!!」


貴「うん。おはよう、イマリ……今日も、探すでしょ…?行くなら、早い方が良いから、行こう…?」


イ「そうですね!!もう、こんなに日が高いですから!!行きましょう!!一刻も早く、見つけなきゃ!!」


イマリは背中に、小さな茶釜を背負いスタッと立つと、早くと言わんばかりの目を私に向けてきた。


貴「うん。じゃあ、行こっか…?あと、今日は近くの平原で豊臣と織田が戦をするそうだから、少しだけ遠回りで行こう…」



イ「そ、そうなんですか…!はい!道はAさんにお任せしますね!!」



貴「うん、分かった。じゃあ、出発…!」


私が、イマリを小脇に抱えた瞬間、思いきり木の上に飛び乗り、そこから木から木へと飛び移りながら移動する。


急ぎの場合は、此方の方が効率良く行きたい場所にまで行ける方法なのだ。


イ「Aさん、僕、ちょっとだけその戦が行われる場所に行きたいんですが……良いですか?」


貴「……?何か、感じる……?」


イ「はい……少しですが、そこら辺から姫神子様の力を感じます!!」


イマリが真っ直ぐと目の前を見据えて、言う。イマリの感知力はよく当たる。行ってみる、価値はありそうだ……



貴「うん、分かった。じゃあ、そこに行こう」


私が、そう言えば嬉しそうに尻尾を振るイマリ。うん、とっても可愛い……









でも、私は、知らなかった。そこに行かなきゃ、あんな事になるなんて思ってもみなかったから……









戦場まであと、少し……






〜Aside終了〜

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はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年4月27日 7時) (レス) id: bf3e5fa494 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千本桜 | 作成日時:2018年4月25日 23時

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