【1st特別記念】 第一話 きみに花を、空に魔法を ページ4
〜Aside〜
−−ヒューヒューと言う、風を切る音と共に私の頬を冷たい夜風が撫ぜる。
今現在、私はアーサーサンの箒に乗らせて貰い中央の国から魔法舎へと帰っている途中だ。
箒に乗せて貰いながら相も変わらず、夜空に煌々と輝き浮かぶ大きな月にほうっと静かに吐息が零れる。
貴｢いつ見ても大きな月ですね……。今夜は一際、明るく感じます｣
ア｢そうですね。賢者様、寒くはありませんか？｣
貴｢はい、大丈夫です。アーサーサン、今夜はわざわざありがとうございます。
中央の国の王子としての仕事が忙しいのに、私を箒で、魔法舎まで送って頂いて……｣
そう私が、他愛ない会話の中で感謝を述べれば前に座っているアーサーサンがふわりと笑った。
ア｢いいえ。息抜きになりますから。お礼を言うのはこちらの方です。五カ国和平会議の式典の件で、賢者様をお城にお呼びしてしまって｣
そう言いながら、今日グランヴェル城に赴いた時の事を思い出す。五カ国和平会議の式典の為に色々と準備を進めているのだ。
するとまた、アーサーサンはゆっくりと口を開き話を続けた。
ア｢＜大いなる厄災＞の影響で、世界各地で異変が起こっております。民たちも不安な日々を過ごしている……。
そんな今こそ、国境を超えて、人と魔法使いの境界を超えて、協力して＜大いなる厄災＞に立ち向かう時｣
そう話すアーサーサンの言葉に、私も静かに耳を傾ける。＜大いなる厄災＞の影響で、各地に異常が起こっている。
その為、中央の国の王子である彼は人一倍その事について気にしているのだ。一人の王子として、魔法使いとしても。
すると、また打って変わって先程とは違い明るい声で私へと言葉を掛ける。
ア｢賢者様にご協力を頂いたおかげで、みなの心を繋ぐきっかけになるような、素敵な式典になりそうです｣
貴｢お役に立てて良かったです。当日、楽しみにしていますね｣
ア｢えぇ。……ただ、各地で起きている不穏な事件が気になります｣
そう言い、アーサーサンが途端に心配そうに声のトーンがワントーン落ちてしまった。
ア｢本日もカインから報せがあったのですが、魔女がグランヴェル城に侵入してきたとか……｣
貴｢魔女、ですか……｣
ア｢オズ様やリケの協力もあって、無事、捕えておりますので心配はありません。ですが……｣
そう言ったアーサーサンの言葉に、少しだけ目を見開く。魔女が侵入したとは、かなり穏やかな話ではない。
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雪姫(プロフ) - 続き待ってます!!!!!!!!! (8月20日 14時) (
レス) @page6 id: 70f5cfe725 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 初めまして、呪術廻戦の方も見させていただいておりました。またこのお話が更新されることを心待ちにしております (2021年12月3日 14時) (レス) id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
流羽(プロフ) - いきなりすみません。いつも楽しみに読まして頂いています！続きを楽しみにしているのですが、この作品はもう更新されないのでしょうか？よろしければ頑張ってください！応援しています！ (2021年10月4日 23時) (レス) id: 1f2d62cad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千本桜 | 作成日時：2021年2月6日 20時
