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貴｢ノア、オルガ、シオン。おいで｣
そう、少女が何もない空間へと呼び掛ける。その瞬間……。
ノ・オ・シ｢｢｢お呼びでしょうか、我らが王よ｣｣｣
そう、うやうやしく頭を垂れた三人の青年が少女の前へと現れた。
貴｢済まないね、急に呼び出して。ノア達に少し話がある｣
ノ｢……話、ですか｣
貴｢嗚呼、かなり大切な話だ。聞いてくれるかい？｣
シ｢勿論です、我が王よ｣
そう答えるシオンに、少女は静かに続けて口を開く。
貴｢今から私は、違う世界に行ってきます。理由は、アル・サーメンがその世界と関わりを持った為。彼らの真意を確かめに行ってきます｣
オ｢アル・サーメン？アル・サーメンって言やぁ、ジュダルの餓鬼が居るとこのムカつく野郎共じゃないですか｣
貴｢うん、その彼らが少し何かを企んでいるみたいでね。それを、事前に阻止しに行く。
その為にも、ノア達に少し力を貸して欲しくてね。力を貸してくれないかい？｣
そう、少女が微笑みながら言えば前の三人もまた口を開く。
ノ｢勿論です。この身は、貴女様のモノ。貴女様の望むままに｣
オ｢イイなァ、イイなァ！！勿論ですぜ、我が王よ！この拳、この脚は貴女の為に使い潰してみせましょう！！｣
シ｢了解致しました。必ずや、ご期待に添えるよう最良の結果を貴女にお捧げ致します｣
そうそれぞれが、少女へと了承を示す。そんな彼らに少女は、ただ申し訳なさそうに顔を顰めた。
貴｢……ありがとう。それで、今回はノア達には一回この聖宮にいて欲しいんだ｣
ノ｢ここに、ですか……？｣
貴｢うん。急な大人数で行って、もし気付かれたら大変だからね。でも、何かあったらすぐに呼ぶよ｣
ノ｢分かりました。それでは、そのように……｣
そう、話が纏まるとウーゴが少女へと視線を向ける。
ウ｢話は決まったようですね。ならば、扉を開きましょう｣
貴｢うん、頼むよ。……それじゃあ、少しの間ここのことはお願い｣
ウ｢はい。−−我らは、いつでも貴女様のお力になります。それだけは、覚えておいて下さい。
貴女がもし、力を欲する時はどうぞ名を｣
貴｢……うん、分かってるよ。それじゃあ、行ってくるねウーゴ｣
そう言い、少女は着ていたローブのフードを目深く被り扉の前へと立つ。
ウ｢それでは、開きましょう。−−開け ゴマ！｣
そう、ウーゴがそう言うと重々しく閉ざされた扉が開く。
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作者名：千本桜 | 作成日時：2021年1月31日 21時
