第三話 ページ5
貴「ンだよ、言いてぇ事があるんなら言ってくれねぇと分かんねぇ」
俺は、鬱陶しい視線に苛つきを覚えながらガキの顔を見る。すると、ガキは数分黙った後に口を開き始めた。
?「俺は、ガキじゃない。"クロロ=ルシルフル"だ。だから、ガキって名前じゃない」
貴「……は?」
何だ、このガキ。急に、自分の名前なんか言いやがって。俺は、コイツと仲良しこよしをする為にこんな事をした訳じゃあない。
貴「ンで?自分の名前言ったから、何だ?俺は、医者。テメェは、俺の患者。それだけの関係だ、それ以外にテメェは何を望む?」
ク「別に、只名前は言っておいた方が良かったかと思っただけだ。それに、俺はテメェでもガキでもない」
……本当に、何だこの糞ガキ。俺に、お前の名前を呼べと?冗談じゃねぇ、コイツとは関わる気なんてねぇっつうの。
貴「まァ、良い。そんだけ、元気なら今日だけ泊まったら出てけ。俺は、お前とこれ以上関わる気はねぇ」
そう言い、俺は椅子から立ち上がり近くにあった本を本棚に仕舞い込む。すると、ガキは急に目を見開き本をジッと見つめ出した。
貴「……ンだよ。"コレ"が、そんな珍しいか」
ク「ううん、でも俺は読み書きができないから本は読めない。でも、本は好き」
そう言い、答えるガキに俺は変な奴だなと思いながら真新しい本を取り出した。此奴みてぇな、ガキは俺の診療所には良く来る。
そのせいか、俺が無駄に集めてたこう言う本が何かと役立つ。まァ、俺はこんなの要らねぇけどな。
貴「はァ……。ほら、ガキ。読み書きできねぇんじゃあ、生きてけねぇぞ。其れ、やるから勝手に読んどけ」
ク「えっ……?わっ、と」
俺が、そう言い本をガキの所にぶん投げるとアイツは慌てて本を抱きしめるように受け止めた。
ク「これ、何の本……?俺、読み書きできないって言ったよ」
貴「お前、俺の話聞いてたか?ソイツは、お前みてぇに読み書きできねぇヤツが読む本なんだよ。其れ見て、勝手に覚えろ。そして、早く出てけ」
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アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年10月10日 17時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千本桜 | 作成日時:2019年8月18日 16時