検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:1,645 hit

第三話 ページ5

貴「ンだよ、言いてぇ事があるんなら言ってくれねぇと分かんねぇ」



俺は、鬱陶しい視線に苛つきを覚えながらガキの顔を見る。すると、ガキは数分黙った後に口を開き始めた。



?「俺は、ガキじゃない。"クロロ=ルシルフル"だ。だから、ガキって名前じゃない」


貴「……は?」



何だ、このガキ。急に、自分の名前なんか言いやがって。俺は、コイツと仲良しこよしをする為にこんな事をした訳じゃあない。



貴「ンで?自分の名前言ったから、何だ?俺は、医者。テメェは、俺の患者。それだけの関係だ、それ以外にテメェは何を望む?」


ク「別に、只名前は言っておいた方が良かったかと思っただけだ。それに、俺はテメェでもガキでもない」



……本当に、何だこの糞ガキ。俺に、お前の名前を呼べと?冗談じゃねぇ、コイツとは関わる気なんてねぇっつうの。



貴「まァ、良い。そんだけ、元気なら今日だけ泊まったら出てけ。俺は、お前とこれ以上関わる気はねぇ」



そう言い、俺は椅子から立ち上がり近くにあった本を本棚に仕舞い込む。すると、ガキは急に目を見開き本をジッと見つめ出した。



貴「……ンだよ。"コレ"が、そんな珍しいか」


ク「ううん、でも俺は読み書きができないから本は読めない。でも、本は好き」



そう言い、答えるガキに俺は変な奴だなと思いながら真新しい本を取り出した。此奴みてぇな、ガキは俺の診療所には良く来る。



そのせいか、俺が無駄に集めてたこう言う本が何かと役立つ。まァ、俺はこんなの要らねぇけどな。



貴「はァ……。ほら、ガキ。読み書きできねぇんじゃあ、生きてけねぇぞ。其れ、やるから勝手に読んどけ」


ク「えっ……?わっ、と」



俺が、そう言い本をガキの所にぶん投げるとアイツは慌てて本を抱きしめるように受け止めた。



ク「これ、何の本……?俺、読み書きできないって言ったよ」


貴「お前、俺の話聞いてたか?ソイツは、お前みてぇに読み書きできねぇヤツが読む本なんだよ。其れ見て、勝手に覚えろ。そして、早く出てけ」

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←第二話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年10月10日 17時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:千本桜 | 作成日時:2019年8月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。