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第一話 ページ3

〜Aside〜



今日、俺は変なガキを拾った。……別に、誘拐とかじゃねェ。道端に転がって、生きてたから連れて来てやっただけだ。



ちょうど、俺が見回りを終えた頃にそのガキと会って死んでそうだったから無視して帰ろうとしたら運良くソイツは生きてやがった。



服はボロボロ、体は痣と打撲痕だらけ。肌は、所々切れて血が滲んでいた。体重も、平気のガキよりも軽かった。



どうせ、碌なモン食ってねぇ証拠だ。此処ら一帯は、飯の配給に来る奴らが居てソイツらから飯を貰う。



何せ、此処はゴミと瓦礫と人間しか居ねぇ場所だ。建物があっても、廃墟だらけで飯なんてモンにありつけやしねぇ。



だから、此処【流星街(りゅうせいがい)】は死ぬ為に作られたような場所だ。ガキも大人も、老いぼれも死んで行く墓場。



そして、流星街は何でも捨てても許される場所として有名だ。物や車、挙句の果てには人間(・・)も。



だから、此処は要らなくなったモンを捨てる廃棄所でもある。まァ、自らこの墓場に来るイカれた物好きも多いがな。



そんな事を、小さく考え胸糞悪くなり小さくまた舌打ちをする。俺の隣には、頭や体に包帯を巻かれたガキが静かに寝息を立てていた。



まァ、倒れた理由は栄養失調と脱水症状。それに加え、体に与えられた殴りと蹴りのダメージによる気絶。



大方、売人から逃げてきた所をチンピラ共に絡まれてリンチされたかだ。後は、飯と水分をあんま取ってねぇからそれでぶっ倒れたんだろうな。



まァ、今は点滴もやってるから今日中には起きるだろ。てか、起きねェと俺が困る。此処には、他の奴らも来るからな。



このガキ一人に、ベッド占領されてたまるかっての。と言うか、コイツ連れは居ねぇのかねェ。大体、流星街に居る奴らは居るってモンだが。



そんなガキの事を、考えていると伸ばされた点滴を刺された腕がピクリと動く。其れに、俺の体も反応し読んでいた医学書を閉じ机に置く。



近くの測定器を、見ると緩やかだった線が小さな山となり映し出されていた。どうやら、俺の読みは当たったらしい。

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アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年10月10日 17時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千本桜 | 作成日時:2019年8月18日 16時

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