対面 ページ6
〜アルトリアside〜
アレから、私たちは魔術師に連れられ地下へと繋がっているであろう階段を今まさに歩いている。
所々に、蝋燭の火が灯っており少しは地下の暗さが無くなっている。階段は、螺旋階段のようになっており渦を巻くように下へと続いていた。
翁「魔術師よ、まだ着かぬのか」
数分の沈黙の末、口を開いたのは私の後ろを歩く翁殿だった。その、低めの威圧感のある声音に魔術師はビクリと肩を震わせる。
魔3「ひっ……!も、もうお着きしますのでどうかお待ちを。……此処は、皆様のマスター様の為にご用意した場所ですから厳重なのです」
魔術師が、怯えながらも少し憂いを含む悲しげな瞳でポツリとそう話す。其れは、何かを酷く後悔するような目で……。
すると、前を歩いていた魔術師がいきなり足を止める。何事かと、私も前を見ればそれはそこに在った。
魔3「……お、お着きしました。此処が皆様の、マスター様が居られる場所です」
私は、目の前の光景に口を閉ざすのも忘れた。まさに、異様とも呼べる光景が私の目の中に映し出される。
鎖で何重にも縛られ、不気味な装飾が施されている扉。……そして、極めつけは中からの異常なまでの大きさの魔力量。
翁殿も、気付いたのか髑髏の仮面をしながらも驚いた様子で黙り込んでいる。すると、魔術師がローブから一つの鍵を取り出した。
魔3「そ、それでは今お開け致します。……此から見る物は、全て我らが起こした非道なる物です。ですから、どうか覚悟して下さいませ」
その一言を、合図に魔術師は真ん中に付いた鍵穴に少し錆びたような色の金の鍵を差し込む。すると、鎖が解け扉が静かに重々しく開く。
ア「な、んだ……?此、はッ」
ヒュッと、息が喉元に詰まる。呼吸がままならない。胸が締め付けられるように痛む。頭が、警鐘を絶え間なく鳴らす……。
−−−此は、此はあまりにも……。
ア「何と、言うことをッ……!!!」
目の前は、どんな物よりも酷く酷く残酷な光景が広がっていた。
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アルファ - 頑張ってください!続き楽しみにしています! (2020年3月24日 14時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
Fg - 面白いです!続きが気になります。更新楽しみにしてます! (2019年7月9日 18時) (レス) id: 2a87c9b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ - 初めまして!続きがとても気になります!更新頑張って下さい! (2019年6月4日 22時) (レス) id: f9a3bc2453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千本桜 | 作成日時:2018年11月21日 22時