9話 相棒の証 ページ10
先輩とじゃれている間に、いつの間にか夕方になってしまった。あと1時間ほどでご飯の時間。
少し、憂鬱になる。
レティが何か言いふらして、皆に何か言われるかもしれない。表しようのない恐怖を感じた。
｢…まだ動き足りひんなぁ……A、ちょっと稽古しよか｣
｢…はい、お願いします｣
なにかしていた方が、私も気が紛れるかもしれない。部屋から出て闘技場へ向かう。
第一闘技場は近距離部隊が訓練を行っていた。
第二闘技場に入り、軽く体を動かす。
｢んじゃ、稽古内容は…左手を怪我した場合の戦法と対処法やな｣
｢そのままですね｣
｢左手は無理させられへんしな｣
ゴム製ナイフを渡され右手に持つ。
｢とりあえず、左手を庇いながら右手でナイフを捌く練習からやな。徐々に早くしていくから着いてこいよ。
目標、10分｣
先輩がゆっくりと私にナイフを振ってくる。それを捌きながら合間のとり方も意識する。
．
．
｢っはぁ……っはあ〜………｣
｢最後よお着いてこれたな。割と本気やってんけど｣
｢…何が、10分ですか……もう1時間経ちますよ…｣
｢ッヒヒ、悪かったわ。ついつい夢中になってもうた｣
まる1時間動き回ったというのに先輩は息切れひとつしていない。…隊員が先輩を化け物と言っていた意味を改めて理解する。
｢…時間、遅れてはいけないのでそろそろ行きますか｣
｢せやな。Aも…強くなったなあ｣
頭を軽く小突かれ、少し驚く。
｢ホンマ、出会った時はなんやこのクソガキって思っとったもん｣
｢…散々な言われよう……｣
｢俺に憧れて暗殺部隊を目指してくれる物好き、Aくらいやろうな｣
いつになく優しい声。
｢…それでな、最近思ってん。
後にも先にも、俺の相棒はAだけやなって｣
思わず立ち止まる。私が、先輩の相棒？
ゾム先輩が私のフードを外して、自身の耳につけていた右のピアスを外す。
｢…Aは穴空いとるよな｣
｢……はい…｣
右耳に先輩が付けていた十字架のピアスが付けられる。
｢…これ、いいんですか？｣
｢おん、ずっと決めててん。このピアスは相棒と半分こにするんやって｣
｢…初めて、努力が報われた気分です。本当にありがとうございます…一生大切にします。
必ず、先輩にふさわしい相棒になってみせます｣
心の底から、嬉しかった。
｢よろしくな、A｣
｢はい！｣
あなたの期待に、必ず応えてみせる。
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ひーの - すみません、この作品の12話にのせられている「ヨルの子メーカー」の画像は、削除した方が良いと思います。詳しくは「ヨルの子メーカー」と調べたら出てくると思います (2022年10月25日 21時) (
レス) @page12 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
ちいちゃん - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ此方でも楽しんで見せていただきます！ (2020年12月27日 11時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - noaさん» そう、ギャラクシーワンなのよw そろそろバルスの時間だよ！w フォローありがとうございやす！Twitterでもぜひぜひ絡んでくださいまし！ (2020年6月6日 9時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - クロさん» 新展開来ましたよ！！リプ遅くなっちゃったから心臓止まったか……いや止めないで！？w 聖女(笑)ちゃんはお糞よ。更新も頑張るお☆ (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - よにんさん» 新展開きちゃ〜← 新展開になっちゃったが正しいっす((( (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年5月18日 9時
