7話 フードの理由 ページ8
コネシマ隊長が私に向かって何か言っているが、聞こえないふりをして医務室に向かった。
素手で刃物を握ったんだ、痛くないわけが無いんだから。
｢…書記長、あとはお願いします｣
｢…あぁ｣
書記長が妙な顔をしていたけど、それに触れる余裕が無かった。
こんなことでいちいち嫉妬している自分が嫌になる。もう割り切ったつもりでいた。
彼女は特別。私は違うって。
…私も、あんなふうに怖がってみれば助けてくれるのかな。
そんな訳ないから、しないけど。
｢しんぺいさん、居ますか｣
｢…A…ちょっ、どうしたの！？｣
｢ほとんど返り血です。怪我をしたのは左手だけなので｣
驚いているしんぺいさんに左手を見せれば、一瞬顔を顰めたがすぐに手当してくれた。
｢…傷が深い。また無理したでしょ｣
こうしてしんぺいさんと話すのは久しぶりで、何だかどうすればいいのかわからなかった。
｢…A、ちょっと着替えようか｣
しんぺいさんがパーカーを渡してきた。手伝うか聞かれて、正直1人で着替えるのは辛かったから手伝ってもらうことにした。
｢…Aは、なんで顔隠すの？｣
手伝ってくれながら、しんぺいさんに問われどう答えようか迷った。何も言えずにいるとしんぺいさんが私の目を見て言う。
｢俺は軍医。傷を癒すことが仕事…傷っていうのは外傷だけじゃない。心の傷だってそうなんだよ。話しにくい事なら、話したくなった時に少しづつでいいから、話してくれないかな？｣
眠たくなるような、優しい声音が心地よい。
｢…ありがとうございます｣
｢…Aは笑った方がいいよ｣
もしもそれが本心じゃなかったとしても、私は嬉しかった。
少しだけ、話してみようかな…なんて。
｢…私はこれ以上レティさんと比べられるのが嫌なんです｣
しんぺいさんの手が止まる。どんな顔をしているのか分からない。驚いているかもしれないし、分かってたことかもしれない。
｢…あの子はいつも笑顔。まるで花でも咲いているように…穢れを知らないように見えます。それに聖女だから…特別視されるのがあたりまえ。分かってることですけど……
それに比べて、私は目付きが悪くてこの手も血で染っている。人の死体の山に立っているような人間……
愛される事はもう諦めました。…それでも、比べられる事だけは、もう……嫌なんです｣
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ひーの - すみません、この作品の12話にのせられている「ヨルの子メーカー」の画像は、削除した方が良いと思います。詳しくは「ヨルの子メーカー」と調べたら出てくると思います (2022年10月25日 21時) (
レス) @page12 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
ちいちゃん - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ此方でも楽しんで見せていただきます！ (2020年12月27日 11時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - noaさん» そう、ギャラクシーワンなのよw そろそろバルスの時間だよ！w フォローありがとうございやす！Twitterでもぜひぜひ絡んでくださいまし！ (2020年6月6日 9時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - クロさん» 新展開来ましたよ！！リプ遅くなっちゃったから心臓止まったか……いや止めないで！？w 聖女(笑)ちゃんはお糞よ。更新も頑張るお☆ (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - よにんさん» 新展開きちゃ〜← 新展開になっちゃったが正しいっす((( (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年5月18日 9時
