6話 殺戮衝動と聖女の特別さ ページ7
｢A、そっちの3人頼むわ｣
｢はい｣
ナイフを両手に持ち直して、男たちに向き合った。ちらっとゾム先輩を見れば興奮で頬は真っ赤に染まっていた。
先輩は稀に、殺戮衝動が抑えられなくなる時がある。トリガーはよく分からない。
あれは、ダメな時の先輩。
…こいつら、どこのやつなんだろ。そう考えながら足を小さく踏み出した。
一人の男が剣を大きく振りかぶって私に向かってくる。…王宮剣術では無い。
素早く懐に入り込みナイフの柄で鳩尾を突く。相当な力を込めた。相手は吐瀉物を吐き散らしながら倒れる。
残り二人は剣で突いてこうとしてくる。
｢…知ってる？剣って横の力に弱いの｣
パキリと砕けた剣を見ながら震え上がっている二人の男の首を掻っ切る。
生ぬるい血で体が赤く染る。…これにももう慣れてしまった。
先輩は既に4人を殺し終わって、私が気絶させた男を殺そうとしていた。
｢先輩、落ち着いてください｣
男に向かって振り下ろしたナイフを素手で止めてしまった。皮膚が裂けて自分の血がダラダラと流れ出す。
フードで顔が見えない先輩は、どんな顔をしてるか分からない。
｢…っ……すまん…｣
｢落ち着きましたか？｣
ハッとしたように先輩が声を漏らす。
｢とりあえずこの男を拘束して、牢屋に入れておきましょう。後で話聞く為に｣
｢…分かった｣
焼けるように痛む左手を少し気にしながら、男の拘束を手伝う。
終わる頃にコネシマ隊長とトントン書記長が来た。血に染ったその惨状に2人はたじろいでいた。
｢この男は気絶させました。そのうち目を覚ますでしょうから、尋問でも拷問でもお好きなように｣
トントン書記長にそういえば、眉間にシワを寄せながら頷いていた。
｢…っひゃああああ！！！｣
突然響いた悲鳴に誰もがその方向を見る。そこには私を見て腰を抜かし、怯えたフリをしているレティの姿。
｢どうしたレティ！！｣
コネシマ隊長がすぐに駆け寄りレティに言う。涙目になりながらコネシマ隊長に縋り付いていた。
｢…こ、わくなっちゃって……｣
｢…そんな事でいちいち叫ぶなよ……｣
小さくそう呟いてしまった。
私が怖い？血に染ってる私が。そんな事言ったらここの人間はみんな怖いやつだぞ。
……あぁ、自分は特別だもんな。
何もしなくても幸せになれる、誰からも愛される特別な存在。
守って貰えるから、手を汚さないでいられるんだよな。
……知ってる、これはただの醜い嫉妬。
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ひーの - すみません、この作品の12話にのせられている「ヨルの子メーカー」の画像は、削除した方が良いと思います。詳しくは「ヨルの子メーカー」と調べたら出てくると思います (2022年10月25日 21時) (
レス) @page12 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
ちいちゃん - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ此方でも楽しんで見せていただきます！ (2020年12月27日 11時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - noaさん» そう、ギャラクシーワンなのよw そろそろバルスの時間だよ！w フォローありがとうございやす！Twitterでもぜひぜひ絡んでくださいまし！ (2020年6月6日 9時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - クロさん» 新展開来ましたよ！！リプ遅くなっちゃったから心臓止まったか……いや止めないで！？w 聖女(笑)ちゃんはお糞よ。更新も頑張るお☆ (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - よにんさん» 新展開きちゃ〜← 新展開になっちゃったが正しいっす((( (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年5月18日 9時
