14話 書記長の本心 ページ16
トントンがロングソードを構える。俺はダガーナイフを両手に持つ。
そこからは動かず、睨み合いが続く……
不意にトントンが口を開いた。
｢…レティ見てるとな、たまにゾッとする事があんねん。…さっき、Aに怯えてた時もｯ……｣
訳分からへん…とトントンが苦しそうにつぶやく。
…俺も、この状態に一度陥った。この苦しさを乗り越えて、気づいたことが多い。
苦しいやろうけど、俺はトントンにコレを乗り越えて欲しい。
トントンが素早く間を詰めて剣を俺に振り下ろす。ナイフで止め、その状態を維持。
｢…っレティは、紛れもない聖女や。俺たちもみんな見てたやろ、レティが湖に現れる瞬間を…！｣
｢おん、見た｣
｢…聖女様は、俺たちの国を救う為に現れると言う。……それなのにっ…！！｣
トントンの一撃が重たい。ギリギリナイフで止めるが気を抜いたら斬られる。
｢…俺たち、壊れてきてる気ぃすんねん……｣
弱々しく呟いたトントンの手から剣がすり抜けカシャンと音を立てて落ちる。
｢…トントンの負けやな｣
｢……おん、戦場やったら間違いなく死んどる｣
｢トントンの言う通り、少しづつ壊れてきてるで｣
俯いて、トントンが頭を抱えた。
｢…俺っ、どないしたらええねん……レティは聖女や、俺はこの目で見たんやから…間違いない、聖女のはずやねん。それなのに、なんで……なんでなんや！！｣
行き場のない思いをぶちまけるトントンを抱き締める。俺やって同じ思いや。
｢…アイツは、聖女でも天使でもない……｣
｢……分かっとるわ。…あんなん、天使の皮を被った、悪魔や｣
トントンが苦しげに言うからもっと辛くなる。
｢そうだとしても、俺たちは彼女を聖女として崇めることしか出来ないんや｣
突然響いたバリトンボイスに、俺もトントンも声の方を見る。そこには、悲しげな顔のグルッペン。
｢…グル、さん……｣
｢トン氏が気に病むことは無いで。…俺たちは同じ、分かってても彼女が聖女である事は変えようの無い事実なんや｣
グルッペンが無理して笑って言う。
｢俺たちに出来ることは、できる限りを尽くして…俺達の思いを繋ぎ止める事や。
創国の時、みんなで決めたやろ？
全員が笑って幸せに暮らせる国にするって｣
グルッペンの言葉に、トントンの目から涙がこぼれ落ちた。
｢…はは、何泣いとんねん｣
｢…っ別に、泣いてないわ｣
いつも通りのトントンに戻って、安心感を感じた。
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ひーの - すみません、この作品の12話にのせられている「ヨルの子メーカー」の画像は、削除した方が良いと思います。詳しくは「ヨルの子メーカー」と調べたら出てくると思います (2022年10月25日 21時) (
レス) @page12 id: c39d7e026e (このIDを非表示/違反報告)
ちいちゃん - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ此方でも楽しんで見せていただきます！ (2020年12月27日 11時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - noaさん» そう、ギャラクシーワンなのよw そろそろバルスの時間だよ！w フォローありがとうございやす！Twitterでもぜひぜひ絡んでくださいまし！ (2020年6月6日 9時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - クロさん» 新展開来ましたよ！！リプ遅くなっちゃったから心臓止まったか……いや止めないで！？w 聖女(笑)ちゃんはお糞よ。更新も頑張るお☆ (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜＋α(プロフ) - よにんさん» 新展開きちゃ〜← 新展開になっちゃったが正しいっす((( (2020年6月6日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年5月18日 9時
