【d!】ヒロインと悪役令嬢の対立…興味ないわ2【学パロ】

17話 悲劇の始まり ページ21

オスマンさんとエミさんとあの時間で大分仲良くなった。

物分りが良く、やはり生徒会の人たちは……本当はいい人なんだと改めて思った。

当たり前よ、性根が悪い人達に学校がまとめられる訳が無いもの。


｢…あっ！リン様！どこに行ってたんですかぁ〜もぅ…｣

教室に戻るとゾムとノエルがよってきた。珍しい組み合わせ……


｢あんまりリンにベタベタせんといてくれるかなぁインデースさんよぉ｣

｢べっ別に良いじゃないですか！リンさんともっと仲良くなりたいんです！｣


この子達、なかなかいい組み合わせなんじゃないかしら。

｢…ふふ｣

｢｢何、笑ってんねん！/るんですか！｣｣


声を揃えて私に牙を向ける。


｢…まるで、懐き始めた子犬と自分の主人に子犬が懐いて嫉妬してる番犬よ｣

犬ぅ？としかめっ面のゾム。アンタは元から番犬でしょうよ。対してニコニコと笑っているノエル。



｢…ほら、そろそろ時間になるから教室に戻りなさい｣

ノエルを半強制的に教室から追い出し、やっと落ち着いて席に座る。


｢…インデースって、そこまで悪いやつやないな。決して好きではないけど｣

｢あの子はいい子よ…それ故に、私達の目には悪く映ってしまう｣


私たちの様に、穢れを知っている人間には眩しすぎるのよ。





｢…リンもええやつやけどなぁ…｣

｢ええやつ、の意味が違うのよ｣



｢…今日、キャルベッスさん来てないのね…｣

｢あんな事したんや、来れるわけがないやん｣



なんだか、ほんの少し、嫌な予感がする。こういう時、当たるから嫌なのよ……

そんな会話をしていたら、既に先生が教卓の所で準備をしていた。
いつもと変わらない、大して面白くもない授業の始まり。そして、いつも通りに終わりゾムと帰りの道を歩く。


ここまでは、いつも通りだったのだ。



｢…リンお嬢、旦那様が呼んでますよ｣


いつも部屋に呼びに来るのはメイドのディアナのはずなのに、珍しく庭師のカイが呼びに来た。

｢……ディアナはどうしたの？｣

｢旦那様と大切な話を…屋敷の全員が大広間に集まっています｣


全員が…？……一体、何が起きたのかしら…


こんな事、おかしい。





｢…今、行くわ｣

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