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先に口を開いたのは、私。


「…ワイテルズ国に、行ってもいいかなって思えたの…」

「…なんでなん?」


問いただすような強い言い方ではなく、純粋な質問をするような優しい言い方。


「…1番に、この国の事を考えた。私が婚約を受け入れることで友好関係が更に固いものになるじゃない?

2つ目は、ゾムが私に言った言葉」



俺が?とこっちを向いたゾム。パーカーはいつもより深く被っていて目元が全く見えない。

「…これよ」


ゾムの前にキーホルダーを見せる。



「…これ……っはは、そう言う意味か」

キーホルダーをみて、思わず笑ってしまったようなゾム。自分も翡翠のキーホルダーを出す。


「俺な、リンはきっとワイテルズ国に行くと思ってん。だから今日言おうとしたこと……

言わなくても、分かっとったな!さすが俺のマブダチやわ!」


マブダチ…聞きなれない言葉に首を傾げるとゾムはニシシと笑って親友という意味だと教えてくれた。

聞き慣れない言葉の響きになんだか歯がゆい気持ちになった。



ゾムがいつかのようにゆっくりとフードを取って、しっかりと私の目を見て言った。




「…行くことが、まだ不安かもしれん。いや、不安やろ?……いい所だとは思っとっても、行ったことがないことに変わりないもんなぁ。

でも、大丈夫やで。

もしも、リンが辛い思いしとったり、泣いたり……死にたくなりとうなった時は、

俺が、助けに行ったるからな」



ゾムの体に優しく包まれる。不安に潰されそうだった心がふわりと軽くなっていく。

「…約束よ」


「…おんっ!!心友やからな!」



私の…

番犬で…

弟で…

真友なこの人が私は……




「ありがとうゾム。本当に大好きよ」

「俺の方がリンの事大好きやで!」



この時間で、私の中で答えは固まった。

…行こう。ワイテルズ国に……




「…リン居なくなってまうんか……やっぱ嫌やわ」

「貴方が後押ししたんでしょう?」




でも、そんな簡単に事が上手くいくとは限らなかったのよ。

16話 秘密のお茶会→←☆



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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年4月2日 10時

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