【d!】ヒロインと悪役令嬢の対立…興味ないわ2【学パロ】

☆ ページ13

｢お嬢に触らないで貰えますかねぇ…｣

｢…っいた……っ！｣


殴りかかってきた腕をとめたのは門番のひとり。キャルベッスさんは他の門番に羽交い締めにされた。

私たちに勝つなんて、無理に決まってるじゃない。


｢お嬢、お怪我は？｣

｢無いわ、良くやったわね…レイヴィス｣


パッヘルベル家警備隊隊長、レイヴィス。国にその腕を買われ、今回の警備に選ばれた。

私はキャルベッスさんの前に立ち嘲笑ってやった。


｢自分がワイテルズ国の方に選ばれなかった事の当てつけかしら？随分と馬鹿なことをするのね｣

｢…アンタならまだしも、なんで何も出来ないノエルが選ばれたのよ！私の方が、ずっと上手いじゃない！｣


｢そう、確かにあの子は何においても下手くそよ。…1週間前まではね。

自分の方が上手に踊れるからって慢心してたのでしょ？その時点でノエルに負けてるのよ｣



負けと言われるのが嫌いなんだろう、キャルベッスさんはムキになり始める。



｢私だって努力したわ！毎日家で練習したもの！勉学の時間を惜しんでダンスにまわしてまで！｣


数人に囲まれる中、キャルベッスさんが叫ぶ。ああ、笑えるわ。こんなに笑えることある。

なんて惨めで、愚かで、哀れな人なのかしら。



｢あなた、何か勘違いしてらっしゃらない？｣

当の本人は何を言っているのか理解出来ていないという顔。



｢過程なんでどうでもいいのよ、どれだけ努力したと豪語したところで……結果に出てるじゃない｣

私の言葉はきっと厳しいもの、誰が聞いていても気分がいいものでは無いでしょうね。


｢いい加減認めなさい、あなたは私たちに…

負けてるの。

これ以上、ワイテルズ国の方に迷惑かけないで｣




門番に連れていかれるキャルベッスさんが、無理やり振り返り私に…いや、私たちに言った。









｢…殺してやる……絶対に殺してやる！！！｣

｢…やってみなさいよ｣



本気なのかどうかは分からない。…じきにそれも関係なくなる。

これで証拠は十分揃ったわ。


｢リン様…本当に、ありがとうございました…｣

｢…さっきも言ったけど、名誉の為よ。それに、あなたのダンスを否定するってことは私を否定したことと一緒だからね｣


ホールへ戻ろうと足を進めようとした時、フューラー様に呼び止められた。

また面倒事かと思い振り返る。


｢…リン･パッヘルベル。今回のこと感謝しよう。色々疑ってすまなかった｣

グルッペン！？など驚きの声が聞こえる。

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