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ページ33

「しんぺい神先生、お世話になったわね。ありがとうございました」

「んーん、リンちゃんが無事に回復してくれたことが何よりだよ…」


荷物をまとめ、最後にしんぺい神先生に挨拶をしていると、廊下からドタバタと足音が聞こえてくる。

この走り方はハインツね…


「リンちゃん正面の入口大変なことになってる!!」

「何となくそうなる気はしてたわよ…」


何せ、国王が裏で手を引いていた事件の被害者、その家族が退院するんですもの。

しかもその被害者が三大公爵家の一家って言う。しんぺい神先生がハッとしたように口を開く。



「あぁ、その事なんだけど…ぴくと君からの伝言で裏口に馬車用意しとくってさ」

「それを早く言ってください…」


移動手段は、何とかなりそう。

「じゃあねリンちゃん。学校で待ってるから」

「はい、落ち着いたら学校に一度戻ります。…あの、一つ頼みがあって……」









「あ、いたいた」

「ぴくとさん……?」



裏口から外に出る。久しぶりに外の空気を吸おうと思ったら視線の先でぴくとさんが手を振っているのが見えた。

「わざわざ来てくださったんですか…?」

「うん」


レイヴィスとハインツが、ぴくとさんに会釈して馬車に荷物を乗せていった。最低限必要なものしかない。

「…リンちゃん、無理してない?」

「しない訳にはいきませんから。…今が、踏ん張り時なんです」



そっか、と私の手を引いて馬車の中に招く。荷物を乗せ終えた2人も中に入ってくる。


「ぴくとさん、本当にありがとうございます」

「助け合い、大事じゃん?」


ニコッと笑い、私の頭に手を乗せる。ここ数日、人の醜さや優しさに触れて心が壊れそうだった。

…もう、大丈夫ね。安心してね、お父様、お母様。私はもう大丈夫よ。

人に支えられながらも、しっかりと2本の足で立ち続けています。膝をつきそうになっていたら、無理矢理にでも上から引っ張り上げてください。


人は支えあって生きていく、そんな訳ないでしょうと最近まで思っていました。





……支え合いはしなくても、一方的に支えようとしてくれる人が沢山いるんですね。

みんな、そうなればいいのになんて思ってしまいました。

☆→←20話 ビルグレイツ家



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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年4月2日 10時

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