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ページ19

「お待たせ」

「…おん……っ!…うわぁ…」

「…そんなに似合わないかしら」


いたずらっ子のようにゾムに問えば顔を真っ赤にしながらも、私の目をしっかり見て言った。

「めっちゃ…綺麗…んで、凄い似合っとる…」



「…んふふ、ありがとう」


嬉しくて、頬が緩む。お母様がドレスの説明をしてくれる。


「…このご時世、きっとマーメイドラインのドレスを着てダンスパーティーに行くのはリンだけだと思うわ。

いい意味で、パッヘルベル家というものを世の中に知らしめて来なさい」


「…はい」


「それからゾムさん」

「はっはい」


お母様は黄金の瞳をすっと細めて笑って言う。


「リンは無理しがちな子なの。…守ってあげてちょうだいね」

「…はい」



ゾムは、真剣な表情で深く頷く。









「…んん、なんだか緊張してきたわ…」

「何を今更言ってん。俺が居るやん」

生徒会メンバーはそれぞれの入口でバラバラに待つらしい。このホール、13ヶ所も入口があるのね。



ホールから曲か聞こえてきた。入場の合図。


「…リン、俺と踊ってください」

「もちろんよ」



ゾムが跪いて私の手の甲にやさしいキスを落とす。ドアが開くと、私達は中に入る。

既にたくさんの人がいて、会場の絢爛さをジリジリと感じる。



緊張しているのか、相手と相性が合わないのか他のダンスをする人々が硬い動きの中、私達は初めてじゃないような柔らかい動き。

視線は徐々に私たちに向く。


ゾムが一瞬躊躇う顔をする。安心させるように優しくてを握れば驚きつつ、ニカッとひだまりの笑顔を見せる。




「…えっ、あれ」
「うそ、リン様とゾム様よ」
「ゾム様、あんなに素敵な方だったのね…!」


そうよ、それでいいわ。



このホールの中心にいる私たち。この場所、この時間、完全に私達が主役よ。

目移りなんてさせてあげない。


息の合うダンスに魅了される人々。ダンスをしながら見てくる生徒会の人達。



「…ゾム、私楽しいわ」

「…俺も、凄い楽しい…リンが居るからな」



曲の終わりと同時に、おでこにキスを落とすゾム。









手の甲にするキスの意味…敬愛

おでこにするキスの意味…友情・祝福

☆→←☆



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こんにちは - 騙されましたほんとにめっちゃびっくりしました (2023年1月9日 0時) (レス) @page47 id: 01cd7b0a2a (このIDを非表示/違反報告)
Nikotya* - 最後のやつ見事に騙されました(・ω・`) (2021年8月11日 10時) (レス) id: 19e8c2f272 (このIDを非表示/違反報告)
とぅめぃとぅ - クリーパーとメルヘットとメンツーユはダメですってwwww (2021年5月30日 22時) (レス) id: fb32157b21 (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - 文章の書き方がとても美しいです...感情ののせかたがとても上手で初めのこねしまさんに髪を捕まれるところで夢主に感情移入してしまって思わず涙が出てきました。とても尊敬します...。 (2020年7月12日 17時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
maron(プロフ) - zmさんとsypさんとciさんの名前で笑いすぎて鼻水吹いちゃいました()どうしてくれるんですか() (2020年6月18日 16時) (レス) id: 18f49ca017 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年3月28日 10時

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