東卍のお姫様(笑)と悪女ちゃんが対立してるらしいけど、ぶっちゃけどうでもいい【三途春千夜】

28話 ページ29

マスク越しだが唇が重なった状態で固まる春千夜。

少し離しておでこをコツ、とくっつける。



｢春千夜、待て｣

｢……｣



菜緒ちゃんに対しての怒りの目が少しだけ収まった。

春千夜の異変を感じたマイキーが菜緒ちゃんを連れてタケミっち達の方へ戻る。


はぁ…お客さんいなくて良かった。お店の人もビックリしてこっち凝視してるよ。

いたたまれない。




｢…落ち着いた？｣


｢…ｯｽｰ…ん…もう大丈夫……でも目の前にこんな可愛い天使がいるのに手が出せないこの状況に腹立つ｣


｢落ち着いたね、よし｣



春千夜から離れてヒナちゃんとタケミっちの元へと戻る。

二人とも顔真っ赤にして私の事見てくるから可愛くって笑ってしまう。

それになんだか気恥しい。いつもは周りに私達のことなんかこんなのが当たり前だから、と気にする人いないから新鮮。



｢あはは……ごめんね二人とも。春千夜さ、私との時間を何度も邪魔されるのが嫌みたいなんだ｣


｢じゃ、じゃあ今日のダブルデート私たち邪魔しちゃってたんじゃ…｣


｢それは大丈夫。なんだかんだ楽しんでたみたいだし、扱いに一部問題ありだけど大分タケミっちのこと気に入ってたよ。ね〜、はるち〜｣



少し気恥しそうに私の頭に手を置いて｢おう｣と一言。

いやぁ、あの武藤さん以外誰も手なずけられなかったあの暴れ馬がここまで丸くなるとは。

私のおかげもあるのかな。



｢…春千夜くん、一緒にご飯食べよ！！｣




あのすみません！！話聞いてました！？


学習能力ゼロなのか再び春千夜の元へと来た菜緒ちゃん。

流石のマイキーと場地も驚いたような呆れたような目をしていた。


ビシッと固まる私とヒナちゃんとタケミっち。これキレたらどうしよ、私もう止めるのやだよ。



｢……つか、タケミっち全然声掛けられないね｣

｢…まぁ、俺…三途君とかマイキー君たちより全然カッコよくないから…｣

｢そんな事ないよ！タケミチ君はカッコイイよ！｣

｢ヒナぁ…｣


タケミっちにはものすごく失礼極まりないんだけど、明らかに菜緒ちゃんって面食いよな。

うちの母上よりタチ悪そう。



｢菜緒、あんまりAと春千夜の邪魔してやるなよ｣

｢…！？圭介くんなんでそんな事言うの…？菜緒、春千夜君と仲良くしたいだけなのに…｣



…一応、マイキーと場地もマトモではあるんだなぁ。

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