東卍のお姫様(笑)と悪女ちゃんが対立してるらしいけど、ぶっちゃけどうでもいい【三途春千夜】

2話 ページ3

｢とりあえず春千夜ももう自分の高校行ってよ。私もいつまでもここにはいられないし｣

｢えー、このまま一緒にサボろうぜェ〜｣

｢ダーメ。私受験生ぞ？｣



私だって遊びたいけどさぁ〜、不良やって喧嘩も怪我もしてんだ。これ以上の迷惑かけたくないんだよなぁ。

いつまでも頷かない私に不機嫌になってくる春千夜。



｢…どーしてもダメかよ……｣

｢…私も春千夜といたいけど、今はどうしてもダメ。だからさ、今日の放課後迎えに来てくれない？｣

｢放課後？｣

｢うん。今日の集会の時間まで放課後デートしない？｣

｢する！絶対だからな！｣



おーおー、扱いやすいなぁ。耳としっぽが見えらぁ…

大きな犬を飼っている気分だ。



｢おら、こっち向け｣

｢ちょっ｣



両頬を見た目とは裏腹な大きな手で包まれて、無理やり上を向かされる。

目元だけでも分かる。めっちゃニヤニヤしてるし嬉しそう。


そのままマスク越しにキスされる。


ほんと、もうそれ本当に辞めて欲しい。

直接触れられないからもうもどかしいし恥ずかしいしヤバいんだよ…


悪い男だ。

…まあ許しちゃう私が一番悪いんだけどさ。




｢…中学生に手ぇ出すなし｣

｢来年にはひとつになるけどなぁ｣

｢二十歳まで待てよ変態…じゃあね、また後で｣

｢離れたくねぇ〜…んー……勉強がんばれよ｣




私を再び抱きしめて来たと思えば、なんか思いっきり吸われた。猫ちゃうぞ。


名残惜しそうに離しつつも、じゃあな、とそのまま昇降口から出ていった。

長くて綺麗な髪、バサバサおめめ、神スタイル。


あれ、私の彼氏…容姿完璧すぎない？

天は二物を与えずって言うけど……あぁでも中身がアレだから二物与えてないっちゃないのか…



そろそろ戻ろうと階段を登ろうと足を掛けた時、外から学校一怖い鬼教師の鬼塚先生の怒声が聞こえた。

…春千夜、見つかったんだな。


健闘を祈る。

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