アブノーマルな青薔薇は幸福の悪魔【魔入りました！入間くん】

Story9 ページ10

アスモデウスさんが無事にゴルゴンスネークを召喚して、とうとうAの番に…

んー…やっぱり緊張しちゃう……


…ふぅ……大丈夫だよ、Aなら出来る。
Aだって、家系で言ったらアスモデウスさんに負けない。


｢次、レヴィアタン｣

｢はひっ…！｣




｢A、頑張ってね｣

｢貴様の実力ならそう心配することもないだろう｣



2人に見送られて、カルエゴ先生から羊皮紙を受け取る。

…よし。


親指を噛み、溢れる血を紙につける。

次は……





｢…あれ、レヴィアタン家の｣

｢あぁ、あの出来損ない(･････)の子よねぇ｣

｢どうせ大した力もないわよ。地位とかツテでこの学校にも入れたんだろうし｣






なんで、嫌なことって…こんなにハッキリと聞こえちゃうんだろう。




｢…レヴィアタン、早く次の動作に移れ｣

｢……｣



そうだ。A失敗作だから、なにも……





｢A…！｣

｢……お兄様………｣





が、ん、ば、れ。




｢…！｣


…お兄様は、優しすぎる。
なんて悪魔らしくない悪魔なんだろう。




…お兄様の期待に応える。

もっとブルボンさんの笑ったお顔が見たい。


ふたつも、目標があるのは…欲張りさんかな。

ううん……それでいい、よね。






｢…Aだって、悪魔だもん｣





蝋燭に、羊皮紙を翳した。



その瞬間、陸にもかかわらず水の中に閉じ込められたように息が出来なくなる。

びっくりして口を抑えたけれど苦しさに変わりはない…


Aのからだ、ちょっと浮いてる…！？

目を開けてさらにびっくり。本当に、水の中にいる…



『随分と可愛らしい娘よのぅ』


だ、誰…



『…なるほど、私の主に相応しき者なり。

我は不死なる憤怒の化身、九つの首からなる数多の命…主に捧げよう』




体に絡みついていた圧迫感が解け、足が地に着く。

…ちゃんと、認めて貰えたのかな。

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