Story31 ページ32
NOside
時は過ぎ……
アスモデウスとクララが1着2着となり、次々に生徒たちが目的地へと到着する。
入間がサブノックと共に金きりの長に乗って現れ、反省の体勢のまましばらく経ち、ふとクララの一言が場をしんとさせた。
「…エギー先生、もちもちは?」
そう、レヴィアタン・Aがまだ着いていないのだ。
何があったのかと縛られたままの入間が心配そうな表情をする。あのアスモデウスでさえ、眉間に皺を寄せていた。
カルエゴは、Aの名前が消えた紙を見ながら監視カメラで見た光景を伝えるかどうか迷っていた。
問題児クラスの全員を見てマシなやつはいないのかと嘆き、視点を最後に飛び立ったAにうつした。
その光景に飲んでいた紅茶を吹いた事は彼しか知らない。
酷い雨風に打たれ吹かれしながら必死にバランスを取り、かなりのスピードで飛ぶAの姿が映された。
他の場所で雨は降っていない。局所的な雨、普通ありえない。
風の影響をあまり受けないように硬い崖の真横を飛び始めた時は、賢いとカルエゴも評価した。
だが次の瞬間、強固で崩れるような崖ではないのにも関わらず上からゴロゴロと落石。
その光景、雨の如く。
何とか避けたと思いきや、正面から飛んできたさえずりの谷コースにいるはずのない怪鳥の群れ。
その怪鳥は普段は群れることない類のもの。
さらに攻撃性はないのに、Aを次々と襲っていった。
その後も普段は攻撃することの無い植物が襲ってきたり、雨の次は雹に打たれ、雨宿りした岩陰では自然の落とし穴にハマり…
とても“不運”の一言では表せないような災難に見舞われていた。
この事を言おうか言わないかと迷ってきた時、微かに聞こえた羽音。と、泣き声。
「うわぁぁぁぁん!!!」
飛んできたのは全身ボロボロ、顔もぐちゃぐちゃで貴族令嬢とは思えないレヴィアタン・Aだった。
フラフラと飛び、なんとかゴールに着地。
鼻をすすりながら嗚咽を漏らすAにクララは心配そうに駆け寄る。
「もちもち!だいじょうぶ?私ばんそうこうとか消毒とか出せるから怪我は安心してね!」
「お姉様ぁぁぁ……」
ギュッと首に抱きついてそういったAにクララがハッとしている。
「…おねえさま……!!」
もちもちのお姉様だよ〜と泣き止ませようと背中をさするクララの姿は流石長女と言うべきだった。
そして、入間はAの言っていた不運は只者じゃないと悟った。
227人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「魔入りました!入間くん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝 - アスモデウスの家系能力。とかいう小説を書いている朝と申します!すっごい面白いです!更新頑張って下さい! (2022年5月22日 17時) (レス) id: 334be47d6a (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜+α(プロフ) - 名前はまだないさん» 返信大変遅くなりました!コメ主様とも趣味がとても合いそうですね!これからも私のペースで頑張らせて頂きます! (2021年8月28日 8時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだない - 夜遅くにコメント失礼します・・・!!偶然見つけたのですがウマ娘も魔入間も好きなので見てて楽しいです(*´`) 主さんのペースで頑張ってください!応援してます!!!! (2021年8月8日 0時) (レス) id: 567784a46c (このIDを非表示/違反報告)
彼岸桜+α(プロフ) - 音さん» 返信遅くなりました!コメントありがとうございます!おぉ、私たち趣味が合いそうですね!作品を見て楽しんでいただけたのなら幸いです。これからも頑張ります! (2021年8月7日 21時) (レス) id: a879f029a1 (このIDを非表示/違反報告)
音 - 初めて感想をかきます。僕もライスシャワーと魔入間が好きなのでこの作品のを見てすごく嬉しかったです!!続きも楽しみにしてます。長々とすいません。 (2021年8月3日 19時) (レス) id: e12759efc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2021年7月31日 21時