アブノーマルな青薔薇は幸福の悪魔【魔入りました！入間くん】

Story30 ページ31

出席の後、ランクを決定する為の授業になった。

谷奥の旗までの競走。…A、早く飛ぶのは得意だけど……多分、着くのは最後の方かも…


｢もちもち元気？｣

｢…｣

｢あれ、もちもち？…アズアズ、もちもちがぺちゃぺちゃしてる｣

｢その語彙はどうにかならんのか…ぺちゃぺちゃ……？｣



クララちゃん、伝わらないと思います。




｢以前行った使い魔召喚試験と今回の順位でランクを決定する。

ゴールはこの先ずっと行った、霧がかかる谷に囲まれた断崖絶壁で、旗のあるところだ｣



……そこまで、無事に飛べるかな。

今回は金きりの長さんが気がたっちゃってて危ないから金きりの谷コースはダメだって。


…カルエゴ先生は、使い魔召喚の時もだけどあの可愛い説明のパネルが嫌いみたい。

踏んで倒しちゃった。



…魔王に拘っているサブノックさんはダメだと言われているのに金きりの谷コースに行くと聞かない。

……そんなに危険なところを飛びたいなら…Aの隣を飛べばいいのに。



みんなを巻き込んで迷惑かけないように少し遅れていこうかな。

使い魔召喚の時の成績もあるから、除籍処分…なんてことにはならないはず。



……頑張れ、A……




｢総員準備。只今より、飛行レースを開始する。

よーい、スタート｣



皆が砂埃を立てながら飛んで言った背中を見送ってからゆっくりと黒い翼を出す。

怪我、しないように頑張ろう。




｢…あれ、お兄様……？｣

｢せーふ…えっ｣

｢お兄様！？｣


カルエゴ先生に突き落とされちゃった…



｢貴様も早く行かんかレヴィアタン！｣

｢はっ、はひぃ！｣





全力で地面を蹴った。

あれ…結構上手く飛べてるかも……この黒いお目目のはカルエゴ先生の監視カメラ…みたいなやつかな。


よーし、Aだってやる時はやるぞ。






その時、突然Aの上だけが曇り始めて雨が降ってきた。


…あ、やっぱりA無理かも。

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