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55話 ページ10

トントンの方を見たユウさんが、こんな状況にも関わらず頬を染めてトントンに近づいて言う。


「…あっ…あの、さっきはありがとうございましたぁ」

「……あんさん、醜いなぁ」

「えっ…?」


トントンの嘲笑うかのような声音に再び場が凍りつく。心配そうに見てくるリドル君に大丈夫だと笑いかける。

うちの子たち(プロターゴニスト寮生)は、みんなこうだから。



それと、トントンの口撃は怖いわよ?あのグルッペンが最も恐れているんだもの。



「味方が少ないことに気づいて、味方にしないとって必死なんバレバレやで。焦りすぎや。

顔がええ奴ばっかりにベタベタ媚び売りよって…はぇ〜……きもぉ」



口元を手で隠しながらそういうトントンの姿はまるで“悪女”。

「そんなっ…媚なんて……」



「あと、なんで呼ばれんかったか教えたるわ。俺は優しいからなぁ…

…ユウさん、やっけ?今日何した?」



声音は甘い癖して、言葉は針のように鋭い。
相変わらず怖いわねぇ……





「…ん?なんも言えへんの?そりゃそうやろうなぁ…飛び出して死にかけて助けられただけやもんなぁ?
俺やAさんおらんかったら…体潰されて……あぁ怖。

助けた分、動いた量が増えたから俺だいぶ疲れてもうたわ…

ほら、自分は足でまといしましたって言うてみ?」



御局様のようなトントン。ねちねちと語る様はまるで女性のよう。

周りも様子の変わったトントンを見て驚いた顔をしている。


「…トントン、その辺にしてあげなさい」

「…ん。なんやもっと言わせてや。言い足りひんわ」

「そのまま続けていたらユウさんが精神崩壊しても可笑しくないもの」

「……ユウさん、Aさんに感謝せぇよ?」


にたっと笑った悪魔のような表情を見たのはユウさんと私だけ。

いつものスンとした表情に戻ったトントン。


私は膝をついたままのリドル君に声をかけた。



「…リドル君、パーティーの招待ありがとう。是非、参加させて頂戴な」

「はい」


差し出された手に右手を乗せ、左手で軽くスカートを摘み、礼をする。


「…では、ここら辺でお暇させていただきますわ。リドル君の手作りタルト楽しみにしてるわよ」


ほんの少し騒がしい庭を後にした。







「…トントン」

「すまん、やりすぎたと思ってんけど…まぁええやろって」

「……久しぶりに見た気がする……あんなに感情的なトントン」

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無名 - とっても面白いです!応援してます!更新楽しみにしてます! (2022年12月4日 1時) (レス) id: f5e9d6662d (このIDを非表示/違反報告)
お肉より魚派(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!更新待ってます!!! (2022年8月25日 21時) (レス) @page14 id: e800e0edc6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤモリ(プロフ) - 続きが気になりすぎる( ・᷄-・᷅ ) 更新楽しみにしてます! (2021年12月31日 4時) (レス) @page14 id: 34e094f64d (このIDを非表示/違反報告)
runva - 続き…楽しみ…3周…するのはやい…おもろい…飽きん…好き… (2021年12月16日 20時) (レス) @page14 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい!面白い!カッコイイ!の連発でした!続きとても気になります!!どうか続き書いて下さい!!お願いします!それに神作にあえて良かったぁ〜ε-(´∀`;)ホッ (2021年12月1日 19時) (レス) @page14 id: 20fdbcd504 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年12月5日 11時

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