85話 透けた本性 ページ45
「…あーもー…!俺が始めたんやけど辛気臭すぎるめう〜!!」
「そうですね。静かな食事なんてそうそうできないんですから、折角の貴重な機会を楽しみましょう?」
オスマン外交官に続いてエーミールさんまでそう言い出す。確かに、折角の機会かもしれない。
「おっくれましたぁ〜!!…あれ、まだ食べてな……あー!レティのこと待っててくれたのね!」
折角の機会が台無しになった気がする。
凍り付いた空気に気付かないで自分の席に向かう。席に座り、みんなが話しかけてくるのを待っている。
誰も動かないけど。
「…ん〜?レティの事見えてないのかなぁ…?」
ガチで言ってるなら、この子は本当にやばいと思う。引き気味の私を見てオスマン外交官がクスクスとゲスい顔をして笑っている。
少しだけ嫌な予感。
「A〜、それでね今日の外交相手の事なんやけどね。それがもうマナーのなってないジーさんやってんよ〜…今日は倍疲れためう〜」
……私は、騙されたのかもしれないや。
でも、分かってて許した節はある。こればっかりは彼の性なのかもしれない。
今、オスマン外交官が私に話していた話題は、よくレティに話していたことと同じだった。
「…オスマン外交官、もしかしてなくても反省してませんね?」
「ん〜?…バレた?」
「…まぁいいですけど」
これを許容に思ってしまうのは、オスマン外交官の才能だ。
「…どーです?今の気持ち」
「んふふ、優越感最高」
…全く、悪い人だ。
「まぁ、他国の外交官と言ったらベテランと言われる人が多いでしょうし。オスマン外交官はベテランになるのが早すぎるんですよ」
「え、それ褒めとるん?」
「そりゃあ褒めてますよ」
「マンちゃん返してよ!」
突然私の方に飛んできたスプーン。当たることなく金属音を立て床に転がる。
あちゃあ、と言う顔をするオスマン外交官。
分かってて煽るんですもん。
「…どうかしたんですか?レティさん」
「どうもこうも…マンちゃんは私とお話するの!それなのにアンタなんかと話してるんだもん!早くマンちゃん返して!!
マンちゃんもこっちきてぇ…」
「え、嫌やけど」
随分とハッキリ仰るね。この人は。
「…ぇ、な…なんでぇ?レティのこと好きなんでしょ…?」
「俺が好きなのはお前ちゃうけど?んふふ、何勘違いしててん?」
……オスマン外交官は、敵に回してはいけない。
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ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年6月6日 9時