58話 後輩達の思い ページ17
チーノside
先輩が意識を失ってからもう3日が経つ。俺もしんぺい神さんも医務室に引きこもりっぱなし。
城内の士気は下がっていて、幹部の人達も何かを考えているようだった。
くそ…なんであの時俺は止めへんかったんやろ。A先輩がやる事くらい、分かってたのに…
「アンタを死なせちゃったら、俺の生きている意味もなくなってまうんやで…?頼むから、戻ってきてくださいよ……生きている意味を俺に下さいよ」
そう問いかけたところで先輩が起きるわけでもない。
「…ごめん、ごめんなさい……」
これじゃあ初代聖女様にも顔向け出来ひんやん。
自分よりも一回り小さな手を優しく握る。この手で支えないといけないものが沢山あるんだ…
そのプレッシャーを全て分かってあげられるわけとちゃう。
「少しくらい…A先輩の役に立てるよう俺も頑張るから……はよ、目ぇ覚ましてくださいよ」
ショッピside
今まで一体何をしていたんだろう。
3日前の光景が今もまぶたの裏に焼き付いて離れない。目の前で起こった事全て。
あの日からみんなの様子がおかしい。コネシマさんも、大先生シャオさんも…レティと話しているところを見ていない。
ゾムさんに至っては部屋から出てこない日もある。
トントンさんは毎日徹夜で具合悪くしてるし、オスマンさんもひとらんさんも元気がない。
「おや、ショッピさんどうかしましたか?」
「エミさん……」
「今からグルッペンさんとお茶会をしようと思っているのですが、ショッピさんもいかがですか?」
久しぶりに尋ねた図書室はなんだか落ち着く香りがした。
「…エミさん遅いゾ!ショッピも一緒か」
「ショッピさんも一緒でいいですよね」
「ああ」
用意してくれた椅子に座る。エミさんの淹れてくれた紅茶の香りが心を落ち着かせてくれる。
いつも通りなのは、この2人か。
「…で、何を悩んでいるんだショッピは」
「…単純な疑問っすけど、他の幹部たちが放心中なのになんでお2人はいつも通りなのかなって」
そういえば、グルッペンさんはいつものような悪い笑みを浮かべて言う。
「そうか…お前たちはまだAの強さを知らへんもんな……
Aがこんな事で死ぬような奴に見えるか?
きっとお前たちが思っている以上にアイツはしぶとい女やぞ」
2096人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年6月6日 9時