おやつのスコーン(グスタフ) ページ37
リビング。自分で作った手作りスコーンを食べていた。
｢A、隣いいか？｣
シュコー、なんて呼吸音と独特の反響を持った声が上から聞こえる。手元から顔を上げ、本人の顔を見る。
｢やあ、グスタフ。ソファ位、許可なく座ったらいいと思うけど？｣
｢お前が中央に座っているからだろう。それに、忠臣の件があるからな。俺はお前の付き人共に警戒されている｣
｢ああ、そりゃあ悪いね｣
少し端に寄りながら、ケラケラと笑って返す。スコーンを目の前のテーブルから取るために、前かがみになった時、ドスッと彼は腰掛ける。ソファの弾力か、もしくは私が軽いのか。意図しない浮遊感と共に、私の体は跳ねることになる。
｢わっ！？｣
｢おっと……平気か？｣
｢……グスタフくーん、君、重いの？ダチョウ倶楽部のネタじゃないんだから……びっくりしたじゃんか｣
からかい交じりに、皮肉ってやる。彼は顔を顰めながら、｢それはすまなかったな？｣と返してくる。少し悔しくて、眉間にシワがよる。
｢いや、冗談だから。皮肉の一つでも返してよ｣
｢お前を喜ばせる義理はない｣
｢ハイハイそーですかー｣
軽く受け流してスコーンを取る。あと一つ、皿に置いてあった残り。グスタフは本人の許可無しに勝手に取っていきやがった。
｢ああああ！！！私のおやつぅ！？｣
｢良いだろう？なんだ、悔しいのか？｣
｢普通人に聞くだろうが！！！なんで無断で取った！？｣
わめく私をよそに、グスタフはマスクを取って食べ始める。そう言えば、一緒に寝たあの時以来、グスタフの素顔ってあまり見ないな……
｢……あんたの素顔、久しぶりに見た｣
｢だろうな。俺はこのマスクを外すことは無い｣
｢多少の時間なら平気なの？｣
｢お前達が死なんように付けているだけだ。俺には関係がない｣
単純な疑問に、至極真っ当な答えが返ってくる。そりゃそうか。食事もままならないだろうし。
｢じゃあ、今はなんで？｣
｢アリーナの帰りだ｣
｢勝った？｣
｢負けたぞ。物の見事にな｣
うちのマスターは、ハッキリ言ってプレイヤースキルは無い。故に、勝率は良くない。使ってもらえるのは嬉しいけれど。
｢ですよねー。ミッションの為とか？｣
｢概ね、そんなところだな｣
｢大変だねー｣
｢これ、美味いな｣
話をそらされた。だが、私は優しいので、世間話と共にしばらく隣に居てやることにした。
｢私の手作り｣
｢今度、俺にもわけてくれ｣
｢お酒と引き替えね｣
それは、平和な昼過ぎの話。
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jazz(プロフ) - デラックスお餅さん» 純粋な感想ありがとうございます！何かネタが降ってきたら書けるんですがね……（笑）「コメント アリガトウゴザイマス。コレカラモ ヨロシクオネガイ シマス」 (2019年1月26日 22時) (
レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
デラックスお餅 - 面白い！次回に期待... (2019年1月26日 20時) (レス) id: 38e0588fa2 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - まっちゃむーしゅさん» ありがとうございます！13は絶対お酒好きだろと思いましてつい← ｢コメント アリガトウ ゴザイマス。アノ二人 ニハ テヲ ヤイテ イマスガ……イワレタ 本人達ハ トテモ喜ンデ イマスヨ｣ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃむーしゅ(プロフ) - お酒で直ぐにつられるサティとビッチちゃんがかわええ (2018年12月22日 20時) (レス) id: ea9a3f21f7 (このIDを非表示/違反報告)
jazz(プロフ) - ゲスミンさん» ｢ワタシニ コウイヲ ムケラレマシタカ？ムダガ スキナ ニンゲンラシイ コウドウ デスネ。コレカラモ カンサツ ヲ ツヅケテイキマス｣ご愛読、またご感想、ありがとうございます。 (2018年12月10日 12時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jazz | 作成日時：2018年11月30日 19時
